【新人マンション管理士レポート】建築再生展に行ってみた(2)

【建築再生展見学リポート】~改修がもたらす新しいライフスタイルとは

マンション管理士 新人のメル夫です。

2017第22回R&Rリフォーム&リニューアル建築再生展を見学した時の「気づき」をリポートします。第2回目は、超高層マンションの大規模修繕事例の紹介です。

【超高層マンションとは】
まず、「超高層マンション」とはどんなマンションなのでしょうか。
実は法的な定義はないのですが、概ね20階以上高さ60メートル以上の建築物でタワー状のものを、一般的に「超高層マンション」あるいは「タワーマンション」と言っています。

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では、「超高層マンション」はどのくらい建てられたのでしょうか…

答えは2016年までの20年間で約1000棟です。

2005年までの10年間で約400棟、2016年までの10年間で約600棟が建てられました。この後、2020年までにさらに240棟建てられる計画です。

そして大事なことは、2016年までの20年間にできたこの「超高層マンション」約1000棟は、大規模修繕工事を一般のマンションと同様12年ごとに実施するとすれば、ほとんどが第一次大規模修繕工事の対象に入っていることになるのです。

皆さまの中には超高層マンションにお住いで、「こんな高い所どう工事するの?」と心配される方もいらっしゃると思います。

では、今回事例紹介のあった超高層マンションの大規模修繕工事のポイントを簡単にまとめてみましょう。都内の某タワーマンション、築18年目で7億円かけて実施した例をもとに見てみます。

【超高層マンションの大規模修繕工事の特徴】
超高層マンションの大規模修繕工事の特徴は次の4つです。

➀足場仮設計画が複雑かつ費用がかかる
建物の形状が上層階が細いということもあり、各所ごとに足場の仕様を変え、作業性やコストとのバランスをとる効率的な工法が採用されました。なお、足場代は工事全体の実に30%を占めました。(一般的には17%程度なのでかなり高額)

➁外壁タイルの適切な修繕の必要性
外壁タイルの浮きは剥落させない工夫が必要なためピンで固定します。

➂外壁塗装にはアクリルゴム系外壁化粧防水塗材を選択

修繕周期を長めに設定する為採用。この方法だと、2回目の修繕時には洗浄してトップコートを施工するだけ済みます。

➃その他、マンションの長寿命化に寄与する仕様の取り込み

住戸サッシ開閉調整のほか、アルミ手摺の研磨、防災設備機器更新等を実施しました。

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【メル夫の今日の気づき】 

①足場代は高い
高層マンション修繕の足場工事費率が全体の30%(一般的には17%)と高い比率であるということは、足場仮設費以外の額が一般的なマンションと同額でも、修繕工事全体の費用は多くかかるということです。これは一般的なマンションと比べ、工事概算額がおよそ20%割高となることを理解しました。

②足場仮設技術の向上 

安全面や作業効率面が改良された、様々な建物形状に対応できる足場仮設ができるようになったお蔭で、超高層マンションでの大規模修繕工事が可能となったことを理解することが出来ました。

なお、具体的な足場仮設は以下の通りです。

(ア)低層部
枠組み:高さ45メートル未満で使用

(イ)バルコニー面
ガイドレールゴンドラ:レールを壁面に固定し、ゴンドラを上下させる

(ウ)コーナー雁行部
移動昇降式足場:1本または2本のレール(マスト)に沿って機械装置で昇降出来る足場

(エ)上層階
吊りゴンドラ:屋上に設置した吊り具にてゴンドラをつるす方法

 

 
【マンション管理組合の学校 新人マンション管理士メル夫】

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