【新人マンション管理士レポート】マンションの駐輪場問題はお金使わず、知恵使い

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新人マンション管理士の理事会同行記(第3回)

<駐輪場対策の事例> ~お金をかけず出来ること!~

マンション管理士 新人のメル夫です。只今メルすみごこち事務所で研修中です。
今回は、東京都にある総戸数48戸の中規模マンションの理事会に同行した時のリポートです。このマンション管理組合の理事会の駐輪場討議で良いなと感じたことをリポートします。

【駐輪場は空き半分、でも下段が不足】
東京都にある総戸数48戸の中規模マンションの理事会です。今、駐輪場問題が論議されています。
このマンションには駐輪場が82台分(1戸当たり1.7台分)ありますが、使用中は44台とおよそ半数だけです。
実はここに大きな問題がありまして、子供乗せカゴ付自転車や電動型自転車のニーズが多いのですが、上段は重く使いにくく、下段も空いている場所は奥行きが短いため、これらの自転車が入らなく困っているのです。
ちなみに、下段になぜ奥行きの短いスペースがあるかというと、上段を支える金属柱の位置が、1台ごとに30センチほど後退し、その分自転車がレールに乗らなくなっているのです。

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【理事会での討議の結果】
理事会において、この問題を解消すべく、お金のかからない策を講じることになりました。
まず、下段使用者に「長期不使用車」がないか問い合わせます。もしあれば、廃棄処分の申請をお願いします。もし申請してくれれば、下段が1台空くのです。(奥行きの短い下段が空いた場合は使えませんが…)このことを「理事会だより」でお願いすることになりました。

【現場の実態―長期不使用自転車が7台】
この理事会の終了後、実際に駐輪場に行ってみました。20台くらい自転車が残っています。
一台一台タイヤを指で押さえてみます。同時に錆や埃の具合を見て汚れたままなら、「長期不使用車」とみなします。すると、目視だけで7台発見することができました。(上段1台、下段6台)
この7台の「長期不使用車」のうち、奥行きの長い場所をご使用にされている自転車1台でも処分に応じてくれると、その台数分が空くことになります。

【理事会だよりの内容】

「理事会だより」には以下のことを記載し、全戸に配布して反応を待つこととしました。
(1)子供乗せカゴ付自転車や電動型自転車のニーズが多いが、上段は重いので使えず空いており、下段が圧倒的に足りない
(2)「長期不使用車」のなかで廃棄処分をお願いしたい

【メル夫の今日の気づき(1)】
駐輪場に空きがあるのに使われていない、不思議ですよね。
住民の声は、「子供乗せカゴ付きや電動型自転車の駐輪できる場所が足りない」です。
子育て世代が15年前から半減しているので、少し違和感があったのですが、このマンションは駅近なので通勤通学用のニーズは少ないのですが、代わりに小さいお子さんのいるご家庭では、子供乗せカゴ付きや電動型自転車が必須ということに気づきました。
「子育て中で日夜頑張っているお母さん方のため」に、早く何とかしなければならないと思いました。

【メル夫の今日の気づき(2)】
大事なことは、「上段を撤去して、下段の有効台数を倍にするのにいくらかかるか」を考えることではありません。「今すぐお金をかけずに出来ること」から手を打つことの大切さがわかりました。
「長期不使用車」の所有者が、「下段の奥行きの長い場所」をお使いになっていて、もし処分を申し出てくれれば、1台分が直ちにご要望に応えることができるのです。しかも無料で。
これはまず「同じマンションに住む住民どうしの譲り合いの精神に訴える」ことだと思いました。

 

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