【アラフォー理事長けんの奮闘記 その9】けん、就任後最大の試練! 嵐の住民説明会

アラフォー理事長「けん」です。
私のコラムをお読みいただいてありがとうございます!

前号でお話ししたとおり、2017年3月に理事長に就任してから紆余曲折を経て、外部アドバイザー(メルすみごこち事務所)のMさんと出会い、うちのマンションでMさんをアドバイザーとして採用することについて年度末(2018年2月)の通常総会に付議することを理事会で決議しました。

しかし、Mさんの採用は年100万円もの支出を伴い、かつ今後の管理組合活動の根幹に関わるとても重要な議題であることから、いきなり通常総会に付議するのではなく、1月に住民向けの事前説明会を行うことになりました。

そして、以前に臨時総会をやったら出席者がたったの「1名」だったという苦い経験から、これまで配布したことがないカラフルで目を引く広報資料をMさんに作成いただき、事前に全戸配布を行いました。

その甲斐あってか、1/20の説明会には10数名(これでも全戸数の1割強ですが)の参加者がありました。

まず私から、冒頭の説明として、

  1. 現状の理事会の問題点
  2. 今後理事会が目指すべき方向性
  3. 外部アドバイザー導入の必要性
  4. 費用の捻出方法
  5. 他のアドバイザー業者との比較結果(合計3社の比較)

をパワポ資料を使って説明した後、Mさんから具体的な支援内容の説明があり、質疑応答に入りました。

管理組合として「住みごこちと資産価値の向上につながる活動を推進していくべき」という総論について特に意義を唱える方はおられず、アドバイザー費用も既存経費の削減等でほとんど賄えそうであることもあり、外部アドバイザーの導入自体について異を唱える方もおられませんでした。

が、ここで最前列に座っておられた男性からご指摘が。

「これは本来、●●管理さん(管理会社)がやるべきことじゃないですか?」

●●管理の担当者、苦笑いして沈黙。

同席していた上司の課長代理の方が、「おっしゃる通りです。我々も頑張って改善提案を差し上げるようにします。」と取り繕うも、上記の男性は納得されませんでした。

ここは私がフォローする以外にないので、

◆管理会社の担当者は多数のマンションを掛け持ちしているのが普通で、日常の管理業務で手一杯なのが現状である。

◆外部アドバイザーの役目には「理事会側の立場に立って管理会社の業務内容をプロ目線でチェックする」ことも含まれており、これは管理会社の担当者にはできないことである。

ということを私から説明し、納得いただきました。

ちなみに、後から知ったことですが、分譲マンションの管理運営の在り方については、国土交通省が「マンション管理適正化指針」というものを定めており、そこには、「マンション管理の主体は組合員(住民)」と明記されてます。
つまり、分譲マンションである私たちのマンションの資産価値と住み心地向上の取り組みを推進する責任は本来、管理会社ではなくマンションの区分所有者である住民にあります。この方の発言は、マンションの貸し手が全責任を持つ賃貸マンションなら正しいかもしれませんが、分譲マンションには当てはまらない指摘です。

ただ、理事長になる前の私がそうだったように、上記のことはほとんどの分譲マンション住民の方に認知されていないのが現状です。それが、マンション管理への無関心や、理事会や管理会社に過大な要求をするだけのお客様気分の区分所有者を産み出している原因だと思います。

なので、少しずつでもマンションの区分所有者の住民の方々の意識を、「自分の財産は自分で守る」という考え方に変えていく取り組みが必要、と今は考えてます。

そして次に、別の方から以下のご指摘が。

「3社しか比較してないんですか? しかも1社は見積りを出してこなかったということだから実質2社だけですよね? そんなので決めちゃっていいんですか?」

「最低4~5社の見積りを取って比較しないと。こんなのダメダメですよね。」

確かに、それが理想でしょう。

ただ、これを本業として相応の報酬を貰ってやっているならともかく、週末の限られた時間の中で、専門知識も無くほぼ私1人だけで手探りでやっていて報酬も無い状況では、限界があります。

それに、Mさんには数回理事会に出席してもらい、すでに多数の有益なアドバイスを頂いて実行している実績もあります。加えて、実際にMさんを数年来採用している近隣他マンションの理事会の方にヒアリングをして裏取りもしており、理事会として確信を持って採用を決定しています。

費用についても、既存の経費を削減することでほとんど捻出できますし、理事会がある程度活性化してきたら委託業務内容を変更(削減)して減額することも可能です。

これらはすべて先に説明済みの内容でしたが、すべて無視したような安易な批判が出たことに、すごく情けなく悲しい気持ちになりました(涙)

さらに、その方も過去に輪番で理事を務めたであろう前年以前の理事会で、今回のような取り組みを検討されていたのなら、今のように理事会が機能不全の状態にはなっていないはずです。この点は一体どう考えておられるのかも疑問です。

しかし、上記のような指摘が出てしまうということは、私の説明内容が十分に伝わってなかったからであり、この点は反省して今後に活かしたいと思ってます。

。。とまあ、ひと悶着あったものの、最終的には、住民説明会の出席者の方からはMさんの採用について賛同をいただくことができました。

と同時に、理事会と理事長の私には、年100万円の支出に見合う成果を上げていく責任が発生しました。以後、どのような取り組みを進めてきたかについては、次号よりお伝えしていきたいと思います。(つづく)

「【アラフォー理事長けんの奮闘記 その9】けん、就任後最大の試練! 嵐の住民説明会」への3件のフィードバック

  1.  管理会社の業務は管理委託契約書、重要事項説明書、管理規約等により異なります。
     すべて同一条件で比較しないと、正確な比較見積もり(相見積もり)になりません。
     メル住み心地さんに顧問料を支払う場合も、何をどのように依頼するかにも決めておかねば、顧問料が高いか低いか分かりません。
     個人的には、管理会社には全部委託せずに、収入関係業務(主に管理費や修繕積立金)と清掃員業務だけ部分委託管理し、他の業務はメル住み心地さんに相談しながら進めていくしかないと思います。 細かく調べないとメル住み心地さんが高いかどうか分かりません。
     管理会社を変更するのは、骨が折れますし、手間暇がかかりますが、それだけの価値はメル住み心地さんにあると思います

  2. はじめまして、新米副理事長です。興味深く読ませていただきました。
    合意形成にとても気を使われていて、すごいと思いました。
    一歩ずつ住民の理解を得る必要があることがわかりました。自分もやってみたいと思います。
    コラム楽しみにしています。

  3. 新米副理事長さん

    ケンです。コメントありがとうございます。
    マンション運営を大きく改善しようと意気込むのは大事ですが、自身と住民の皆様や他理事の方々とは、想像以上の温度差と溝があるものです。
    自分だけ突っ走ってしまっては成るものも成りませんので、焦らずじっくり合意形成しながら進めて行くことが重要だと、これまでの2年で思い知りました。
    上記の合意形成と住民のモチベーションアップの点で、メルすみごこちさんには大変助けられています。

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