【フロントはメールを読んでいるのか問題】14.やっつけ仕事

理事長は何としてでも今年度中にインターホンの工事を実施したいらしい。そのための説明会を予定通り9月13日に開催するため巻きに入り、管理会社に宛ててメールを出したのが8月18日。
理事長のメールには、「理事はこの件について追加すべき事項・検討すべき事項などあれば、早急に連絡願う」との記載があったので、私は以下の内容を追加するよう、フロントと役員に対してメールで依頼した。
鍵に関することはすでに述べたので割愛する。

カメラ付きのオプションは賃借人の意向だけではできない。申込者を区分所有者限定とし、その形で申込書案を作ってくれ。
オプションは個人負担で付けられるが、その後、個人の都合で取り外したり、負担した料金の返還を管理組合に求めることができないという注意書きを、説明資料と申込書に入れてくれ。

このメールに書いた2件は理事会内でのコンセンサスが取れていないが、取っている時間が無い。おそらく必要だと思われたので、その旨を明記した上で私の一存で追加依頼した。
うちはほぼ半分の部屋が賃貸に回されている。賃借人が住戸前にカメラが欲しいと思っても、オーナーの了承が無いと付けられないだろう。賃借人の希望でできることとできないことの切り分けはまだできていないが、指摘しておかなければならない。
だが、理事長の独断による草案提出期限のリスケについては触れなかった。私はこの件を重視しているが今さらそれをつついてもしょうがない。

8月20日、理事長から役員とフロントにメールが出された。臨時理事会開催の提案だ。また、管理会社に対しては仕様について説明できる業者の同席を求めた。

8月20日23時、深夜にフロントから役員へ向けたメールが来た。
20日の理事長のメールに対するもので、臨時理事会に来てもらう業者の手配をした上で返信してきた。このフロントにしてはかなり速い仕事ぶりである。私の知る限り過去最速だが、スケジュール的にギリギリなので当然のスピードとも言える。
23時というのはこのフロントにしては非常に遅い時間帯だ。理事長が設定した期限が「今週中」でそれを守ったのだろうか?このフロントにしては珍しいことである。だが、もともとは案内状発送が8月中旬だった。そして、8月中旬というのは7月の理事会でフロント自らがコミットしたもの。締め切り間に合わせた気になってるんじゃねーよ!!

私はフロントのメールを翌日になってから確認した。
メールには説明会の案内状草案と電子キーの個別ID方式の見積もりが添付されていた。
案内状は、説明会の開催案内(日時、会場等)と、インターホンと鍵の仕様、工事の内容、日程、所用時間などが記載されたA4で3ページ。
たったこれだけのものを出してくるのに1カ月以上掛かっている。フロントからのメールには「一部日時が未記入の箇所がある」との断り書きがあった。つまり「それ以外のところは問題ない」って言ってる?
いや、完成度は低い。まず誤字がある。素人には馴染みのない専門用語が使われているし、文章が回りくどくて分かりにくい。
おそらく、18日の理事長のメールにあった「今週中に草案を提出せよ」との記載と、説明会開催が9月13日であることから、さすがにここがデッドラインだと思ったのだろう。その辺から適当な文書、他のマンションで使った案内状とかを探して、当管理組合の総会議案書の文書ファイルを元にしてやっつけた、というところだ。
議案書が元データだと私が判断した理由は、説明会の会場を記載した部分のタイトルが「総会場所」となっているから。「説明会会場」とすべきなのを変更し忘れている。文書全体の体裁や文章も総会議案書の匂いがする。議案書がダメということではないけれど、もう少しとっつき易いものにして欲しい。

送られてきたのがワード文書だったので、私は変更履歴付きで修正した。こちらの意図が伝わるように指摘内容をメールに書いて送るのは手間が掛かるし、指摘したところで直るとも限らない。
誤字の修正、手紙の体裁の誤りの指摘、製品写真の追加、文書の体裁を整える、など、全編にわたって数えきれない箇所・量の変更、コメント付き。

フロントが草案を送ってきた翌日にこの修正を施したファイルを送り返したが、これに対するフロントからのレスポンスは一切無かった。

つづく

(photo by photoAC)

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