【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第2回)

新人マンション管理士のメル夫です。只今メルすみごこち事務所で研修中ですが、今回は自分が所属している、マンション管理士会地域部会の主催する相談会での相談事例について、印象に残った案件のリポートです。

【理事会が機能していない】

今回はマンションの理事会に対する不満と対策です。築27年目の27戸の小規模マンションです。理事は4人の輪番制で、皆さん嫌々やっています。理事長も互選で仕方なくやっており、理事会運営は管理会社に丸投げです。その方は組合員として、総会が月末にあるのですが、議案を見ると問題だらけで、一体どうすればいいのか嘆いて対策を相談されに来られました。

【管理会社のやり方に不信感】

組合員である住人が、次のような事態を問題と捉えて話しました。
① 管理会社との契約に関する「重要事項説明会」が総会議事の中で行われる。同一条件の継続であっても総会前に行うのではないでしょうか…。
② 駐車場の修繕作業の予算。昨年も長期修繕計画通りの予算額を計上しておきながら何もやらなかったのに、今年度も長期修繕計画の本年度予算をそのまま計上しています。事前に何も調査をしていません。
③ 9年前に大規模修繕工事を実施し、屋上防水についてはまだ瑕疵保険の補償期間内なのに、一部漏水が発生したことを考慮せず、自社工事部門に別途工事を発注しようとしました。しかも合見積りもせずにです。そのことを指摘し事前に食い止めましたが、とんでもない会社です。
④ 修繕積立金の管理口座については、管理組合のお金の安全を考慮し、法律で2つのやり方が定められていますが、必要性も感じられないのに管理会社の口座に入金する案を提案したことがあります。反対となり防止できましたが…。

【自ら理事長に】

相談員からのアドバイスは次の内容です。
理事の方が無関心である以上、関心のある方々を集めて臨時総会を開催し、現理事会の更迭と自分たちの理事会形成を住民投票で勝ち取ります。そして、ご自身で理事長をおやりになることをお勧めします。なお、臨時総会の開催には、一定の条件のもと、区分所有者および議決権の5分の1以上(27人なので6人以上)を集めることが必要です。

この際是非、マンション管理の専門家を導入することをお勧めします。
現状の問題点の整理・対策立案、管理会社の更迭が優先で、2回目大規模修繕工事の実施検討や空きの多い駐車場対策はその次でよいでしょう。まずはマンション内で、同じ考え方の方を1人からでも探すことが第一ではないでしょうか。理事のなり、いよいよ打つ手がなくなれば第三者委託も可能かと思います。

【メル夫の気づき】

マンション生活は「共同生活」です。自分だけで良かれと思っても、どなたも理解して頂けなければ孤立するだけで、なかなかうまくいかないものです。総会出席者のなかに他に意見を言われる方はいませんか?成功への道は、意見交換できる方捜しから始めになることかと思います。

One thought to “【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第2回)”

  1.  多数決での決定は愚の骨頂です。 マンション管理は、正確な情報の公開で、異論も排除せず、合意形成に努めなければなりません。 十分な論議なしでの多数決での強行は、管理組合の分裂を招きます。 あとは「管理不全マンション」へ一直線です。

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