【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その29】マンション関連ソフトの革新(管理組合の運営支援)

 

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 【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その29】マンション関連ソフトの革新(管理組合の運営支援)

3回わたって管理会社業務のIT化について触れていく、今回が3回目。

1回目の「組合会計」2回目の「フロント業務」に続き、「管理組合運営のIT化・クラウド化」です。

理事会や総会の運営は何とかもっと効率良くできないものでしょうか。
  • 大規模マンションでは理事会の日程調整も大変です。少なくとも正副理事長が出席できる日は……月例理事会って何とかならないの?
  • 毎回理事会で多くの議題があるけど全部審議するとなると大変だ……
  • 管理会社にいろいろ依頼しているけど、いつでも回答は次月の理事会まで持ち越し。なかなか前に進まない。
以前のコラムで、管理会社の「愚民政策」について触れましたが、理事会が管理組合の運営リードするための道具をうまく活用して、この際「賢民への脱皮」を図ってみませんか?

 

つまり、管理組合支援システムの採用を検討してはどうですか。

先に紹介した組合会計システムとフロント支援システムを採用する管理会社において、管理組合がその管理会社と同じソフトハウスが開発した管理組合支援システムを導入すると、管理会社が管理する組合会計・フロント支援システムのデータの内、管理組合にとって必要な部分を管理組合役員の側から直接アクセスし、会計データを確認したり、書庫にアクセスして理事会の議事録を読み返したり、区分所有者の名簿を確認したりすることができる、、、そんなサービスを持つ会社も出てきています。

「滞納者への督促状況と入金実績は?」
「駐車場の空き状況は?駐車場契約者のリストは?」
「マンションの図面を確認したい。」
「外部に住む組合員の住所は?」
「昨年の消防設備の点検で指摘があった不具合か所はどこだった?」
今までこのような質問をフロント担当者に投げかけると、その都度「社に持ち帰って資料を確認し、後日回答します。」というやり取りを繰り返していたわけです。

理事会の側から管理会社が管理するデータや資料にアクセスできればどんなに便利でしょう。
もともと管理会社は管理委託という委任契約に基づき管理組合からこれらのデータや資料を「預かり」、管理組合の為に「管理・更新」し、「保管」しているにすぎないのです。

もともとこれらの情報元、つまり「所有」者は管理組合であり、管理組合が利用できない方がおかしいのです。

毎回理事会で、「先月実施した排水管清掃と貯水槽清掃の報告書です。」などと言って管理会社が回覧していた写真付きの分厚い報告書。これも、提出が不要になります。
組合支援システムのトップ画面のお知らせに、「○月度○○点検報告書を文書保管庫に保管しました。不具合か所の手直しを次回理事会でご相談します。」などとフロント担当から書き込んでもらえば良いのです。

意見交換したいテーマがあれば、意見交換欄に書き込みを行います。組合員なら誰でも意見を書き込んで情報交換が可能となります。
皆さんの総意が確認できれば、理事会でこのテーマを取り上げるにしても、審議は円滑に行えますね。
理事会審議の欄もあります。理事長がアップした理事会の議題に沿って、理事が意見を書き込み、賛否を意思表示するシステムです。
厳密にいえば、このバーチャル理事会での審議を理事会の審議と同列に扱う旨の管理規約の改定を行えば万全ですが、次回正式の理事会が開催された際に、事後的に議事録を作成することでも実務的には問題ないと思います。
理事会で審議すべき事項が管理組合支援システムで処理できるようになれば、実際に理事化一堂に会する理事会の頻度を少なくすることが可能だと思います。かえって毎月理事会を開くより意思決定が迅速となる場合もあるのではないでしょうか。
共用施設の予約やアンケート機能など、マンション管理組合向けのSNSと同じ機能も備わっているから凄い。
「賢民への脱皮」を進めることは、管理組合の自立と活性化を促すことはもちろんですが、フロント業務の合理化にもつながり、管理会社にこそメリットが生じるのだと思います。
「由(よ)らしむべし知(し)らしむべからず」といった、従来の上から目線の管理会社のスタンスが、管理組合に寄り添った対等な関係へと変わってゆけば、管理委託契約も安定的に継続し、管理会社の利益も管理組合の満足度も、共にアップするのでは、、、と期待しています。

今回のコラムで取り上げた内容については株式会社システムサポート22(03-5472-4800)のご協力をいただきました。

 

 

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