【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第10回)

新人マンション管理士のメル夫です。自分が所属している、マンション管理士会地域部会の主催する相談会での相談事例について、気になった回答事例のリポートです。

【9年前に行われた大規模修繕工事の一部がまだ未完了⁉どうすればよいか】

築22年の小規模マンション(総戸数50戸)にお住いの組合員の方から、「大規模修繕工事は9年前に終わったのですが、工事が一部終わっていないような気がする、どうすれば良いのでしょうか」という相談がありました。
築12年目に「設計監理方式」で大規模修繕工事を行ったとのことですが、きけば設計監理者も施工業者も良く知られた会社です。そのようなあからさまな瑕疵を残す会社とは思えません。管理組合も竣工検査を行っているはずです。

なお、「設計監理方式」とは、第三者(専門家)であるコンサルタント会社に、調査診断、改修設計、工事施工会社選定補助、資金計画、工事監理などを委託する方式のことです。

【共通廊下のシートの一部が貼替されていない・屋上防水が未完】

その方の話では、共通廊下の一部の長尺シートが張替えされずにそのままになっているばかりか、屋上防水が未完で雨漏りが心配だそうです。常識的には、施工業者がそのような状態で引き渡そうとしても、設計監理者がいるわけですから、きちんとチェック機能が働き、一部が未完成で竣工していることなどあり得ないはずなんですが…。

まずは、指摘箇所の写真を撮って理事長に見てもらいましょう。工事完了当時の理事長ではないと思いますが、相談者が仰っていることが事実であったら、現場を確認して何らかの対応をしてくれるはずです。
工事完了後9年もたっているため、何らかの理由で共通廊下のシートの一部が破損したとか、屋上防水が不具合となっているという可能性もあります。保証の範囲内で対応してもらえる可能性もあります。

 

【メル夫の気づき】

大規模修繕工事が終わって9年もたっているのに、未完の箇所に気づくとは、正直なところ信じられませんでした。
竣工後は、施工会社が1年、2年、5年目の点検を行うことがあります。点検で不具合が見つかった時は、工事保証の対象範囲であれば補修を行います。
また大規模修繕工事瑕疵保険という保険に加入していますと、工事中及び工事完了後、保険会社の担当がきちんと大規模修繕工事が完了したかを確認し、その確認ができないと証書が発行されません。とても良い制度だと思います。

One thought to “【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第10回)”

  1.  9年前と言えば、大規模修繕工事業界が、それほど腐っていないころだと思っていましたが、腐りかけはあったのですね。 その後の大規模修繕工事についていえば、失敗した例を良く聞きます。
     多くは、工事後、管理会社が気を付けていれば「未完了」など起こるはずはありません。
     管理会社は、住民の大切な財産をどう考えているのでしょうか?

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