【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その3・つづきのつづき 役員の資格

(前回のコラムはこちら

臨時総会でAさんを退席させた場合更に混乱してしまいそうだったため、規約に反しているとはいえAさんを退席させない形で総会を続けました。しかしやはりこれは問題です。規約を区分所有者の配偶者や一親等の親族(いずれも現にマンションに居住)は、役員の職務を代行できるように改正することを理事会にアドバイスし、現在検討に入りました。

先ほども述べましたが、役員のなり手不足はマンション管理のソフト面でのひとつの大きな問題となっています。なり手不足の原因としては、経年マンションにおいて区分所所有者が高齢化してしまい役員の負担に耐えられない、賃貸化が進み区分所有者があまり住んでいない、多忙な方が多く役員となっても理事会や総会に参加できないなど、様々な理由が考えられます。

私がアドバイザーをしているあるマンションで、役員を1期2年のとしているところでの話しです。ある理事の方が2年目の年に九州に単身赴任となっていまいました。規約は標準管理規約とほぼ同じだったため、規約を厳格に運用すると理事会の度にその方に九州から帰ってきてもらうか、その方がマンションに戻られる日に合わせて理事会を開くということになってしまいます。これは全く現実的ではありません。実際にはこの1年間は区分所有者の奥さんに理事会に出席していただき、翌年の総会で規約を改正しました。

臨時総会に参加して紛糾したマンション、アドバイザーをしていて規約を改正したマンション、これらのマンションに対して行ったアドバイスや規約の変更が100%正解だとは思いませんが、役員の資格についてはマンションの実情にあった形で改正していくことが必要でしょう。

規約改正したマンションの規約に追補した条文の一部を例示します。

「役員に選任された組合員は、事前に総会の承認を経れば、配偶者または一親等の親族(いずれもマンションに居住するものに限る)に役員の職務を当該組合員に代わって行わせることができる。」

ご参考にしていただき、理事会・管理組合の運営の一助となれば幸いです。
では字数も尽きましたので。

 

「【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その3・つづきのつづき 役員の資格」への2件のフィードバック

  1.  役員の資格問題は難しいです。 私なら管理規約どうりの文言にしておき、役員選出細則等を別に設け、実質的に機能する役員構成と役員の選出に関する申し合わせ等の、玉虫色の決着を目指します。
     マンション管理では、管理規約を運用する場合、100%完全順守は、経験上不可能です。
     例えば、共用廊下に物品を放置することを厳禁すれば、玄関扉外のしめ縄やクリスマスリース、回覧掛け用の小さなマグネットフックでさえ、管理規約違反になります。

  2. 器用人様

    役員選出細則を設けるのも良いですね。
    仰る通り、規約の100%完全順守は不可能と思います。
    それぞれのマンションの状況に応じて、臨機応変に理事会・管理組合が活動できるよう手助けするのがマンション管理士の仕事かとも思います。

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