【マンション管理士おさらぎブログ】人をうらやむことの怖さ

「4階の○○ちゃん、例の進学校に合格したんだって…」
「おとなりのご主人、部長に昇格したんだって…」


人を羨ましい
と思うことは、誰にもあるでしょう。

マンション内のコミュニティが形成され、近隣の素性がわかってくると、「羨ましい」という感情がうまれ、場合によっては軋轢をうむ可能性さえあります。
かくなる私自身、そのような感情はないのかと言えばそんなことはなく、劣等感が自分の中から消えることはありません。

そんなとき、どのように対処するのか。

私は以下のようにします。
「自分は幸せだ、家族や友人に恵まれてる」と事あるごとに繰り返し言葉にする。
②羨ましいと思う対象に負けないために、どうすればいいか考えて行動する。
③そもそも、本当にその人にすげかわって幸せなのか考えてみる。

今から20年ほど前、「羨ましい」という感情から恒例化した罰ゲームが存在しました。

ハラスメントという言葉がなかった時代、くれぐれも現代でやらないようにお願いします。

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優秀社員に選ばれるとハワイに行けるというバブリーな時代がありました。
その年、我が部署からは、Tくんが選ばれました。

これは皆で祝わないといけないと考えた私、罰ゲームを考案しました。
以下のミッションが、背筋も凍るゲームの全容です。

<優秀社員賞おめでとう!!罰ゲーム>
防災頭巾、防災リュック
あほメイク
③首からゴマちゃん目覚まし時計
④ゴマちゃん時計を鳴らしっぱ
(目覚ましの音は「きゅい~ん!きゅい~ん!ぼく、ゴマちゃん。朝だよ!」のエンドレス)
⑤通称ナンパ橋、人だらけの道を渡る
笑いながらスキップする
ティッシュ配りのお姉さんから受けとる
⑦その一部始終をビデオで隠し撮りする

OEKAKI13

____人で溢れる大都市、夕暮れの繁華街
意を決したTが事務所を出ていきます。

ナンパ橋が一望できるビル。
3階の窓から、ビデオで隠し撮りする私たち。

1階のエントランスから、Tが勢いよく出てきました。

Tは__おもむろに立ち止まり、こちらを見上げます。
今にも泣き出しそうな、この上なく情けない表情…

 (しっしっ!!)
 ジェスチャーであしらいました。

緊張からか、ただ、もつれた足で駆けるT
ミッション⑦、スキップになってません。

喧騒に紛れ、かすかに聞こえる
「きゅいーん、きゅいーん」

Tは、橋の向こう側にいるお姉さんから素早くティッシュを受けとると、スキップを完全に忘れ、ボルト級のダッシュで事務所に戻ってきました。
 「やったぞ!!!」

ハワイを手中に納めた、テンションマックスのTに、氷のような声で私は告げました。
「あんなのスキップじゃないよ。だめ、はいもう1回」

Tは、子犬のような目で、所長を見つめましたが__
 「だめだな」
非情なる天の審判…

次の瞬間
勢いよくきびすを返したT
今までと明らかに何かが違います。そう、優秀社員賞の理由が、灼熱の炎と化したその両眼にありました。

OEKAKI14

アザラシの鬼神と化した企業ソルジャーT、桜舞う街へ再発。

__Tの後ろ姿が見える
完璧なスキップ
ナンパ橋の向こう側、失笑するお姉さんからティッシュを受け取り、深々と一礼
Tが振り返った
さわやかな笑顔、いや、完全に笑っている

__Tは1度だけ天を見上げ、大きく息を吸った
ステップを踏み出した
軽やかなスキップ、笑う、いや爆笑している……春風を切りながら

街を行き交う人々の、幽霊でも見たような表情など微塵も気にせず、アザラシの鬼神T、事務所へ生還。
「今度は完璧っしよ!!」

パーフェクトな演舞、もはや文句の出ようがありません。
鳴りやまぬ拍手の中、ハワイ行きを確信した笑顔満面のT__

しかしながら
『お疲れさま・・』と言いかけた私たちの前に、容赦ない先輩Kが放ったひとこと。

 

「録画ボタン押すの忘れちゃった。もう1回」

 

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