【マンション管理士ふくろうの実践コラム】マンション理事会が開けない!

ここ数か月の間に、

「理事会に決まった役員しか出てこない」

「役員が出てこないため理事会が成立しないことも度々で困っている」

との同様の相談が2件もありました。

ご存じのとおり、標準管理規約に準じた規約を持つ管理組合では、理事の半数が出席しないと理事会としては認められません。
原因は欠席理事の組合活動への無関心さや無責任さにあることには間違いないのですが、役員の選任方法にも問題なし、とは言えないようです。

これらの組合では役員を輪番制としていますが、前役員は事務的に次期役員候補者の輪番該当者に役員就任のお知らせを何度かしただけで、その方が次期役員として就任して頂けるのか、何らかの事情があって役員就任が困難なのかの確認をすることもなく、ごく当然のように総会議案に次期役員候補者として名前を記載しています。

もとより役員の輪番制は、順番該当者は役員に就任するという事が大前提で成り立つ制度なのですが、現実には仕事の都合や健康問題、その他の事情で役員になれない、又絶対にしないというような方もおり、このようなお知らせのみの状態で総会選任されても理事会への参加は役員の半分も集まらない、あるいは、初回は何とか必要な出席率が確保できてもその後はジリ貧となり、あわてて欠席理事に出席の催促をしても出席率は低迷のままという事になりかねません。

そもそも役員への就任依頼については、輪番規則等があったにしても、法的には本人の承諾が必要な委任という事になりますので、役員の就任依頼書とともに役員への就任を受ける、受けないなどが記載できる書面等を同封し、一定期間内に意思表示をして頂くような仕組みを作り、事情があって就任できない方は後回しとするなどして、結果として総会議案書に記載する次期役員候補者は全員が役員の就任に承諾した方々にしないと、現実問題として管理組合が機能しないという事になります。

役員候補者の選定の際に本人の意向や事情も確かめる事無く輪番というルールににこだわりすぎて、結果として理事会も開けない管理不全マンションになってしまっては元も子もありません。

(photo by pixabay)

One thought to “【マンション管理士ふくろうの実践コラム】マンション理事会が開けない!”

  1.  輪番制は管理運営に詳しくない(ほとんどの方がそうです)、諸法令、管理委託契約、管理規約に
    詳しくない(興味すらない)が選任され、欠格事項のある人の排除も困難です。 そんな理事会で管理運営ができるはずはありません。 そしてマンションが荒れてくる(清掃不足やペット禁止でも飼う)が発生し、管理不全に陥ります。 そうなれば、理事会に出席はおろか成立さえしなくなります。 これを防ぐには立候補制(推薦制)しかありません。 役員資格を説明すると欠格事項に該当する方は、辞退されるでしょうし、極端な場合、認知症の方が順番に当たっていても、辞退をお願いしやすくなります。 地位候補した方には所信表明をお願いし、真面目でまともに、排他をせず管理運営に当たる方を選べばいいのです。 第三者管理も規約上認めている管理組合も多いと思いますから、マンションの実情を把握されたうえで、真面目でまともに運営してもらえれば、費用も高くありません。 ただ、そのようなマンション管理士等専門的知識者を見つけるのは、結構骨が折れます。 マンション管理士は勉強が足りません。 マンションは「一点物」ですから、住んでみなければ分からないこともたくさんあります。 一番いいのは、専門的知識者で重要事項説明書を読み解ける方です。 管理会社の幹部クラスでも、重要事項説明が満足にできない方がいます。 もっと重要事項説明書に重点を置き、遵守できる管理会社を選ぶべきです。 
     難しいですよ。

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