【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その45】総会を牛耳る管理会社。何とかならないか。その1

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【総会を牛耳る管理会社。何とかならないか。その1】
大規模修繕工事について、総会が開催されました。
理事会は管理会社が提案したままに、総会の議案を上程したようです。組合員からは、問題点を指摘する声、不満の声が上がったようですが、すでに過半数の委任状や議決権行使書が提出されており、何を言っても議決が覆る状況ではなかったそうです。
こんなことが許されるのか。何か手立てがないのかと相談されました。

総会の議案となった、その管理会社の提案内容は以下のようなものです。

………………………………………………

①管理会社の子会社の建設会社Aに大規模修繕工事を発注することとする。

②A社の下請けとして複数の建設会社から見積もりを取り、理事会がどの下請けを採用するかを決定する。
③A社は元請け経費として決定した下請の請負金額から○%の経費を上乗せして管理組合から大規模修繕工事を請け負う。
④大規模修繕工事の予算は○○万円以内とする。
………………………………………………
組合員A「これでは大規模修繕工事をいくらで発注するかわからない。組合員に発注額を示すことなく、これだけの大型工事の発注を行うのは納得できない」
管理会社「コンサルタント(これも管理会社が担当)が算定した予算を上限に、複数社を競わせて、価格をこれ以下に抑える努力をするので問題ありません。何度も総会を開催するのも手間ですので、ここから先は理事会に一任されてはどうでしょうか。」

組合員B「元請に入るだけで利益を取るのは納得できない。A社の元請けは断り、複数社の見積もりを比較して管理組合が一番安い業者に直接発注すれば良いのでは。」

管理会社「管理会社及びその子会社の建設会社は今後も管理組合との継続的な取引を前提に工事に取り組みます。当然、施工もアフターサービスも手抜きは一切あり得ません。一見の業者で単に価格が安いからと言って発注してしまうと、責任ある施工や十分なアフターサービスが期待できないことが懸念されます。わずかな元請け経費はこの保険だと受け止めてください。」

組合員C「これだけ組合員から異論があるのだから、大規模修繕工事の発注方法に関しては今一度考えなおしてはどうか。」
管理会社「すでに組合員の過半数の賛成を表明する議決権行使書が集まっております。理事長、そろそろ採決をお願いします。」
理事長「それでは賛同いただける組合員の方は挙手をおねがいします。」

管理会社「議決の結果を報告します。賛成○○、反対○○で本議案は承認され‥‥‥」

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現出席の組合員の多くが反対意見を表明したにもかかわらず、欠席者の委任状や議決権行使書面が物を言い、あっけなく承認されてしまったとか___。

 

本件の流れが、違法なことかどうかと問われれば、適法だと言わざるを得ません。工事を一括して下請けに発注することすら、発注者である管理組合が同意していれば(今回は③の通り、同意を前提としています。)適法と言えます。

実際の発注金額が組合員に知らされていないとの意見ももっともですが、理事会に上限予算を明示して、これ以内で発注するという議決は有効です。

残念ながら「予算○○以内で理事会に業者選定は一任する。」といった議案ですら有効です。
ですから、今回はA社を元請けと明示している分だけマシとも言えます。
とは言え、なんとなくウサン臭いですね。
管理会社は、下請候補の公平な見積もり合わせを装いつつ、息のかかった業者数社に声をかけるでしょう。表向きはわずかな元請け経費しか取らないと言いながら、下請け業者からもしっかりリベートを受け取ることを怠るわけがありません。
管理会社もしたたかですが、その管理会社の営業所長もしたたかで、業者からは飲食、ゴルフの接待漬けだそうです。
どうにかならないものでしょうか____。(その2へつづく)

 

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