【マンション管理組合の教科書】マンション総会を成功させる、たった1つのコツ

授業のポイント

  • 分譲マンションのオーナーには、理事会という組織の役回りがやってくる
  • マンション管理への無関心が生む、総会参加者の減少
  • 総会の主催者と参加者の一体化を可能にする簡単なコツ、「場」つくり

 

 

授業というオーケストラを指揮する世界野長和(せかいのおさわ)です。

分譲マンションのオーナとなる。これは、例外なく、マンション管理組合の構成員になることを意味しています。ちなみに、分譲マンションのオーナーを区分所有者と呼びますが、その区分所有者の代表でつくられる「理事会」という組織が、基本的にはどのマンションにも存在します。

理事会はマンション管理組合の業務を執行する組織で、マンションに係る様々な運用を定期的に集まり決定していきます。話し合われる内容は、住人が共同で利用する廊下や階段に代表される「共用部分」に関係するものが多いです。

マンションを新たに購入したあなたにも、この理事会の一員となる役どころが回ってくることでしょう。

いくら理事会が区分所有者の代表組織であるとはいえ、すべてのことを理事会だけで決定できるというものではなく、特に法律や規約で定められた重要な議案については、区分所有者ひとりひとりの意志を尊重する仕組みによる議決が必要となります。このため、通常総会というものを、最低でも年1回は開催しなくてはいけません。総会にどうしても参加できない区分所有者は、委任状や議決権行使書を提出するのですが、本来は区分所有者全員がマンション管理運営に興味を持ち、総会に参加すべきです。しかしながら、「総会の参加者が年々少なくて困る」という管理組合が非常に多いのが現状といえます。

前置きが長くなりましたが、このような環境下においてもなお参加してくれた区分所有者のために、総会を盛り上げるといいますか、管理組合活動をより身近な存在に感じてもらうための簡単な「コツ」があります。ソーシャルディスタンスが叫ばれている現状、そのまま活用することは難しいかもしれませんが、コロナが収束した後も理事会活動は続きますので、参考としてみてください。

理事会と参加者、一体化のコツは、「場」つくり。総会当日の座席配置にあります。

議事を進行する理事会と参加者の席を、安全な距離を保ちつつ、なるべく近づけるようにしましょう。例えば、会場が長方形だった場合は、縦長のセミナーのような座席配置にするのではなく、横に広くとるのです。このほうが後ろの座席と発表者である理事会の距離が近づきます。オーケストラに例えるなら、指揮者(理事会)を演奏者(参加者)が取り囲むように配置するのです。小規模マンションはいっそのことテーブルを取っ払って円座を組むという手もあります。ひとりひとりの顔もしっかり見えるようになりますね。

経験上、同じ議案の説明でも、その「場」の違いで別の結果を生むことがあります。もちろん、「場」に親近感があったほうが、建設的な意見が出て良い結果を生みます。管理会社が総会の設営をしているときにセミナーのような座席配置にしていたら、即刻変更するように申出てください。総会こそ、「場」つくりに気をつかいましょう。

今のような世の中になる前は、総会の出席者を増やすために、子供が喜ぶようなイベントを同日に開催したり、住人同士の懇親会をセットにしたり、様々なアイデアを実行しているマンションがありました。総会資料をカラフルに見やすくするという工夫であればコロナ禍でも使えそうですね。理事会のタクトに期待します!

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