【マンション管理組合の教科書】マンション理事長の代行についてインタビュー、いきなりモンスター住人(3)

当社がA管理組合からプロ理事長を受託してから程なくしてモンスタークレーマーB氏から強烈な電話、、、は前回コラムを読んで下さい。

 

 

B氏からまた電話がかかってきましたか…汗

そうですね。前回の恫喝電話から3日後、B氏から会社へ電話が入りました。
前回は「おとぼけキャラ」として対応してみましたので、今度は「ちょっと真面目キャラ」で対応してみることにしました。

『深山さん、どうも、AマンションのBです。』
「お世話になります、深山です」
『この間は忙しくなって途中で悪かったね』
「いえいえ、マカオへ行かれたんですよね」
『早速なんだけど、この間の話、どうします?』
「この間の話とは、玄関ドアの話でございますね?」
『あと「一本」ね(怒×1)』
「C社の社長と同じように100万円をお支払いする、というお話でございますか?」
『そうだよ、その2つだよ(怒×2)』
「まず最初に玄関ドアの件について、顧問弁護士に確認したところ、~~~の理由でBさんに管理組合から現金を返すことはできないことを確認しました。」
『別に組合のカネじゃなくたっていいんだよ、俺んとこに組合から説明なかったし、お前んとこの△△(工事監理者)や□□(担当マンション管理士)から散々迷惑受けてんだよこっちは。□□からドアの金はなんとかなるようなこと言ってたんだよ。お前きいてるだろ?』
「スタッフからは聞いていません」
『おい、お前この間と回答が変わってねぇな!(怒×10)お前の会社から払えば良いだろ?どうすんだよ!』
「わかりました。では、この先は僕自身が法的に明るくないので、当社がBさんに玄関ドア代をどういう法律の立て付けで払えるのか、顧問弁護士に確認しますね」
『だからいいんだよ弁護士とか(怒×10)会社の誠意で考える話だろ!」
「はい、ですから会社の誠意として玄関ドアのお金を払うときに、会社として経費計上の仕方も確認しなければなりませんし、そもそもの誠意という支払いの法的位置づけについて確認させていただくんです」
『だから、お前頭悪いな、お前のポケットマネーで出せばいいだろ?こんな小さな額も払えねぇのかお前は、ダメだなお前』
「支払う法的根拠を弁護士に確認しますね」

、、、と、至って真面目キャラで、誠実風に、慇懃無礼に対応していきます。

 

B氏、相変わらずの対応ですね。

そうなんですよ。そこで、今度は色々とチラつかせつつ、冗談とも真剣とも取れる対応をしてみました。

お前さ、この間と態度が違うじゃねえか、「でございますか」じゃねぇんだよテメェ!あと弁護士出せば俺がビビると思ってんの?(怒×5)』
「全くそんな事はありません」
『100の方はどうなったんだよ』
「100って、C社から受け取ったのと同じ趣旨の金の話ですか?」
『それしかねぇだろ!(怒×10)マジお前話が遅いんだよ』
「色々と調べたり顧問弁護士に相談したのですが、先程の玄関ドアの話と同様に、当社がBさんへお支払いする合理的な理由が見つからず、困ってるんですよ。どうすれば良いと思いますか?」
『おい深山、やっぱテメェふざけてんだろ!(怒×25)お前この間カネ払うって言っただろ!いいかげんにしろよ!』
「当社からお金を出すとは一言も言っていませんが、何かの聞き間違いではないですか?」
『よしわかった。本当にお前んとこ行くわ(怒×50)仲間連れて4,5人で行くぞコラ!(怒×5)』
「いえいえ、僕も法的な根拠があればBさんにお支払いしたいんですよ」
『わかった!いいよもうお前んとこ行くから(怒×60)渋谷だろ?調べてんだよ。お宅の事務所で話そうよ。30分で連れて行くから!(怒×60)』
「わかりました。ではとりあえずお待ちしてます。あと、一応当社からBさんへお金を支払う根拠を検討したいので、前回と今回撮った録音テープを利用させてもらいます。あとこちらも人を集めておきますね。」
『あぁ?何お前録音撮ってたの?(怒×10)なに人集めるって、そんなのでビビるわけ無いじゃん(怒×7)』
「・・・・」(わざと沈黙してみる)
『うちのメンバーはちょっと気性が荒いからどうなっても知らねぇぞ』
「・・・・」(わざと沈黙してみる)
『いいんだな!』
「・・・・」(わざと沈黙してみる)
『深山おい聞いてんのかよ!(焦×5)』
「・・・・」(わざと沈黙してみる)
『聞こえてんのかよ!』
「・・・・聞こえてますよ」
『おいテメェまた舐めてんだろ!マジこいつ殺すぞ!(焦×50)』
「さっきの録音なんですけど、別にBさんにハッタリをかますために言ったんじゃなくて、Bさんへ当社からお金をお支払いするためにどうしたらよいか考えるために関係者と共有したいだけなんですよ」
『深山、お前本当に俺のこと馬鹿にしてるな(怒×5)』
「いえいえ、で、何時ころにお越しになります?こちらも何名か集めてお待ちするので時間を教えて下さい」
『お前マジさ、頭悪いんじゃないの?それ脅しのつもり?(怒×3)』
「いえいえ、僕がBさんを脅した録音が残ったら、それこそまずいじゃないですか。それに僕はハッタリをかませるような強い人間じゃありませんよ~」
『、、、わかったよ、こっちは忙しいから今日は止めとくけど、今度お前んとこ行くからちゃんと用意しておけよ(怒×2)』
「今日来ないんですか?またマカオに行かれる?」
『チゲーよ!今回はドバイだよ!ドバイにビジネスがあるんだよ』
「中東のドバイですか?世界を股にかけてますね」
『そーだよ、こっちは忙しいんだよ(怒×1)』
「わかりました。こちらはBさんから再度ご連絡いただくまでに色々と用意しておきますね」
『もーいいよ、わかった、お前バカだしお前に時間使ってる暇ねぇから。ちょんと考えてまた連絡するから(怒×0)』

ココでガチャ。

 

(苦笑)ここまで、わかりやすく法を破る方も珍しいですが、まだB氏のアタックは続きますか?

いえいえ、実はこの後、B氏からは二度と電話がかかってくることはありませんでした。
そして玄関ドアや大規模修繕工事に一切関わらなくなり、工事も終盤に差し掛かったころ、B氏は自分の部屋を売却して出ていってしまいました。
B氏からマンションを購入した新しい区分所有者に連絡をして、玄関ドアを交換し、本工事も無事に竣工。

あとになって、今の担当マンション管理士が「監事の方」から色々と教えていただきましたが、当時の理事会や管理会社はB氏に本当に苦しめられてきて、今のような平穏なマンションになったことが信じられない、とのことでした。

(まとめへ続く)

 

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