専門家に頼らず、最初に一人で簡単にチェックできる項目があります
「竣工図なんて、見方がわからないし、そもそもどこにあるかわからない」とお考えの方が多いと思いますが、ほとんどの分譲マンションでは竣工図は管理人室に保管されています。
①竣工図がそもそもどこにあるかわからない場合は、購入候補のランクとして、そもそも最優先候補ではなくなるのではないでしょうか。
②竣工図があった場合、購入を検討している部屋の配管の材質が記載されている箇所を教えてもらってください。現場にいらっしゃる方がどこにその箇所があるかわからない場合は、給排水衛生設備の章を探せばそれほど時間をかけずに確認できます。探せなくとも後日でもいいので専有部の配管の材質を調べてその結果を教えてもらうようにすれば最低限の確認はできます。
③材質が記載されている場所がわかれば、給水管、給湯管、排水管(雑排水管・汚水管)の材質を確認してください。非常にざっくした目安で築20年以上であれば将来的に水漏れするリスクが比較的高い材質、築20年以前であれば将来的に水漏れするリスクが低い材質を使っている可能性が高いです。(竣工図どおりではない場合もあります)
水漏れするリスクが比較的高い材質の主なもの
●銅管(給湯管に多い)
●硬質塩ビライニング鋼管(給水管・排水管に多い。継手部分が錆びやすいですが、継ぎ手部分が錆びにくい施しをしている場合もあります。そのあたりは後日教えてもらうことも可能)
水漏れするリスクが低い材質の主なもの
●塩ビ管
●ポリエチレン管
●ポリブデン管
④水漏れするリスクが比較的高い材質を利用している場合、水漏れの履歴、専有部の配管の保全対策についての方針を確認してください。(長期修繕計画には専有部の給排水管の保全計画が記載されていないことが多いので、長期修繕計画では確認できないため)
専有部の配管については、区分所有者の判断に委ねているというマンションの割合は現時点では多いと考えられます。専有部の配管の保全を行う場合は、全て自己負担となることが考えられます。
また昨今、専有部からの水漏れ事故が多発しており、漏水事故を起こした場合、事故を起こした箇所の改修費用や階下への損害賠償費用が高額になるリスクがあるので、配管の保全を事前に行うことはとても大切です。
中古物件購入時の判断項目として、給排水管の保全状態は数ある判断項目の一項目に過ぎませんが、そのマンションの資産価値を長期にわたり維持向上をしていく中で大切な検討項目ではあります。購入にあたり何物件も専門家にアドバイスを求めるのは大変な労力となります。より効率のいい物件選びをしていくご参考になれば幸いです。
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優先度が低くなりがちなマンションの給排水管の保全。とくに専有部は、修繕積立金でカバーされず各自の負担となる組合が多く、年月を重ねるごとに、ボディーブローのように配管の保全費用が重くのしかかってきます。利害関係者に振り回されず無駄使いを避けるちょっとした情報をご提供いたします。【配管保全センター株式会社】https://haikan-hozen.co.jp/
給排水管の図面は、マンションではありませんが、仕事で、衛生設備図面と表示があるものもあります。
古い建物だったため、竣工図が出鱈目で、目視確認ができるところは、目視確認しました。
最近の建物ではないとは思いますが、昭和36年ころから昭和55年ころの建物は要注意です。
他の時期でも、景気の良い時期は、職人が不足しますので、工事全体に確認不足や手抜きがあるかもしれません。
最近も職人不足ですから、注意が必要です。
見えない部分の手抜きは、業界の常識で、世間の非常識かもしれません。