年々増え続けている「空き家」
空き家には2つ問題があると言われています。
居住者の高齢化
居住者の高齢化が進み、施設や病院へ転居したり亡くなったりすることで空き家になってしまう。特に居住者が所有者だった場合、相続人がいない・見つからないなどで、空き家のまま放置された状態になってしまう住宅が増えています。
建物の老朽化
建物の老朽化もあります。戦後、住宅政策で大量の住宅が供給され、多くの国民が戸建やマンションを購入しました。築40年以上が経過し、前項のように所有者自身も高齢化して住めなくなり空き家となる。
築年数が新しい住宅は賃貸や売却できますが、築40年以上の戸建・マンション(団地など)は、賃料あるいは売却価格を下げてもお客様は見つかりません。
こうやって、どんどん空き家は増加しているのです。
具体的に見ていきましょう!
国交省報告(令和元年5月)「空き家対策について」によれば、空き家の総数は、この20年で1.5倍に増加しました。(576万戸→846万戸)分譲マンションの総ストック数・675万戸(令和2年)を大きく超えていることにびっくりします。
さらに具体的に見てみましょう。
「上記の846万戸の空き家」は、以下のように区分けされます。
- 二次的住宅(別荘、その他):38万戸
- 賃貸用の住宅、売却用の住宅:461万戸
- その他の住宅:347万戸
この「3-その他の住宅:347万戸」が「空き家問題」の対象となるようですが、347万戸という数は、私が思っていたよりもはるかに多いです。
空き家について整理
これから問題視していく空き家とは、上記「3.その他の住宅:347万戸」のことですが、これらは、「別荘」でもなく、「賃貸」や「売却」のために空き家になっているわけでもありません。「未利用住宅」、つまり、貸さず・貸せず・売らず・売れず・リフォームせず・解体せず・「空き家」にしている住宅をここでは「空き家」と言います。
それでは、なぜ空き家にしておくのでしょうか。
理由は以下があげられます。
- 子供の頃からの思い出のある家なので処分できない
- 親が入院中だが、もし退院したら、また、暮らせるのではないかと期待をして数年たっている
- 荷物がたくさん置いてあるので、物置き状態となっている
- 貸すことも売ることもできないほど古くなってしまい、困っている状態
- 解体工事費が払えないので、そのままにしている
しかしながら「空き家の何がいけないの?」と思われる人も多いのではないでしょうか。自分あるいは親の所有している不動産であり、空き家にしていようが、住んでいようが、他人に文句を言われる筋合いはないと…。
ところが、そうもいかないのが空き家問題なのです。
~次回は、その辺についてお話しをしていきます~