新人マンション管理士の小規模マンション奮闘記(第1回)
【理事会に出席を依頼】
新人マンション管理士のメル夫です。只今メルすみごこち事務所で研修中ですが、今回は自分自身が区分所有している、東京都心にある築25年目(総戸数30戸)の小規模マンションの理事会に出席した時の活動のリポートです。
当マンション管理組合では、大規模修繕工事の早期実施が最大の課題ですが、なかなか進展しないので、マンション管理士のメル夫から理事長に直接働きかけ、「協力するので大規模修繕工事を早く実施しましょう」と申出ていたものです。
実際問題として、現在の理事会だけではどうすることもできず、マンション管理に詳しい区分所有者の協力を得たい思いとも合致し、今回の緊急理事会にメル夫が出席要請されました。
【理事会を3名で開催】
マンション理事の実数は3名ですが、今期2回目の理事会も理事1名が欠席。結局、理事2名とメル夫で開催しました。
理事長は現在北海道に赴任中で、今回は夏季休暇中につき、緊急理事会を招集したのです。ちなみに当マンションの過去の経緯を良く知っている方です。もうひとりの理事は、当マンションの約半分を所有する大口所有者で、管理組合の運営に大きな関心を持っています。
なお、管理会社は1年前に変更となり、フロント担当と技術担当の2名の出席でした。
【修繕委員を募集したい】
まず、今回のメインの議題である大規模修繕工事の進め方について、理事長から説明がありました。
当マンションは、築25年になるので大規模修繕工事を早く進めないといけないのですが、理事会主導でやるにしても、力不足は否めない状況にあるので、区分所有者の中から専門知識や経験のある人の協力を得て推進したい。特に外壁のタイルの剥離が急務なので何とかしたいとのことでした。
話し合いの結果、修繕委員を募集して10月に修繕委員会を立ち上げ、大規模修繕工事の進め方や、資金対策を決めていくことになりました。修繕委員の募集締切は9月5日です。
本当はすぐにでも進めたいのですが、きちんと募集の手続きを踏み、区分所有者全員の理解と協力を得たいので、10月までスタートを延期しました。
【大規模修繕工事の進め方】
昨夏、管理会社から建物劣化調査診断報告書が提出され、さらに各戸にアンケート調査を実施していますが、理事会でその後の具体的な検討はされていません。
本格的な討議は、10月以降の修繕委員会からですが、メル夫としては、大規模修繕工事の取り組みは、「設計監理方式」にてきちんと行うべきだと考えています。
なお、「設計監理方式」とは、「工事を請け負う会社」と、「工事のプランを考えたり施工会社をチェックする会社」を分ける方式です。
これに対して、施工会社や管理会社にお任せする「責任施工方式」で、絶対に信頼のおける会社でない限り、一般的には割高となることが懸念される取り組みです。(関連記事はこちら)
次回の理事会では、大規模修繕工事の取り組み(発注方式)の審議が必要です。それまでに、理事と個別に話し合ってみようと思います。十分な話し合いもなく、いきなり決定というわけにはいかないのです。
【メル夫の決意】
実質、理事2名ということもあり、必要な決断が遅れています。大規模修繕工事もわかる人がいないと厳しいです。メル夫としては、25年目である今のタイミングで大規模修繕工事をやらないと、住み心地はもとより、資産価値が維持できないという判断であり、何とかしなければならないと思っています。
大規模修繕工事の費用については、概算で1戸当たり100~150万円とすると、総額は3,000万円~4,500万円です。修繕積立金はこの額を上回っているため、今回は何とか対応できそうですが、実際に見積額を算定してもらわないと、安心はできません。
場合によっては、修繕積立金の増額も必要となるかもしれませんが、その前に、電力の一括受電化、自動販売機や広告塔設置、基地局設置等収入増加の検討も行わなければならないと考えております。