新人マンション管理士の小規模マンション奮闘記(第2回)
―理事会に出席を依頼されましたー
新人マンション管理士のメル夫です。只今メルすみごこち事務所で研修中ですが、今回は自分自身が区分所有している、東京都心にある築25年目(総戸数30戸)の小規模マンションの理事会に出席した時の活動リポートです。
理事長が大規模修繕工事を急ぐ理由としてあげた、外壁のタイルの剥離問題を中心にリポートします。
【外壁タイルの剥離とは?】
理事長が大規模修繕工事を急ぐ理由は、およそ3年前、『正面玄関の真上の3階にある外壁タイルが剥がれ落ちた』ためです。
その時はとりあえず復旧処置をし、大規模修繕工事を早くやるべきだということになりました。
しかし、それから3年も経ちますが、大規模修繕工事はいまだ実施されず、「さて、これから取り組みましょう」というレベルなのです。
理事長は、「大規模修繕を急ぎたい」といっていますが、早く取り組まないと、万が一にも外壁タイルの剥離で落下事故が起きたら、理事長をはじめとする管理組合の責任になる可能性が極めて高く、非常に心配をしています。
【外壁タイルの落下事故】
メル夫としては、外壁の落下事故の場合、土地の工作物の占有者・所有者の責任を定めた民法第717条第1項の適用の問題になると理解しており、確かにその通りなのです。
民法第717条第1項には次のように書かれています。
『土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。』
この条文によれば、所有者がその損害を賠償しなければならないとあり、外壁は共用部分なので、区分所有者全員で構成された管理組合が占有者になります。
「自分たちの責任になると、このマンションの人たちは分かっているのかな…?」と不安になりました。
昨年夏に行った建物劣化診断結果も含め、大至急、詳しく調べてみる必要があると思いました。
【メル夫の決意】
理事長が大規模修繕工事を急ぐ理由として、3年前に発生した外壁のタイルの剥離問題をあげました。
復旧のための修理は終わったと聞いてますが、本格的な修理は大規模修繕工事で行うことにしていたので、基本的には『手つかず』の状況です。
大規模修繕工事までの間に、再度外壁タイルが剥がれ、さらにそのことが原因で人身事故が起きたら大問題です!
「一刻も早く大規模修繕工事の手続きを進めなければならない」と固く決意しました。