授業のポイント
- コンペのヒアリング時間は、基本的に、30分と60分の2択
- 理事会の経験値で変える
- あらかじめ「判断基準」を設ける
就職戦線異状なし、を経験した、呑名時茂(どんなときも)です。
「現在進めている植栽業者の選定のコンペは、1社どのくらいヒアリング時間をとればいいですか?」
あるマンションの理事長より、このような質問がありました。どれくらい時間をとれば、理事会役員で比較検討できるか、との趣旨のようです。
コンペに何社呼ぶかにもよりますが、一般的に理事会の経験値によって、30分~60分で提案したいと思います。
理事の経験値「高」のケース=60分
理事を2年以上経験している方や、修繕委員のような専門知識や関心を持っている方の集まりのケースであった場合、業者からヒアリングしたい項目は、①サービスの詳細②技術力③理論性(理屈が通っているか)、であることが多いです。
営業マンや上席からの挨拶や会社の実績を延々とされるよりも、早く本題に入ってもらいたいのが、目の肥えた参加者の求めるところでしょう。
理事の経験値「普」のケース=30分
参加者のほとんどが理事1年目で、まだ受け身であるような理事会のケースにおいて、各社からヒアリングしたい項目は、①サービスの全体像②業者の強み③説明のわかりやすさ④誠実さ⑤実際の担当者の顔がみえるか、であることが多いです。
マニアックな説明を長々とされるよりは、これらの項目をバランスよく説明受けたほうが、参加者も迷いづらくなります。
複数の会社で比較する場合、あらかじめ、会社の経歴や経営状況などの基本条件を満たした業者を選別しておくことで、、ヒアリング時間を短縮でき、変な業者を選ぶリスクを回避できます。
また、先ほどの、理事会の経験値「普」のケースでは、特に、「選定における判断基準」をあらかじめ用意しておくことをオススメします。
業者の選定基準として考えたいのは、
- 提案内容と実現性
- 現状の課題解決のための回答
- 共通質問に対する回答
- ヒアリングに参加したメンバーのチームワーク(組織力がみえる)
- 担当や上席の受け答え(企業のレベルや上下関係がみえる)
- 受注したい、という熱意
- 報酬(サービスによっては多少高くても容認するのかをあらかじめ決めておく)
といったところです。
「規模・売上高・実績」で条件を設けるならば、ヒアリング前に落選させるのが筋です。個人的には、単にこのような項目だけで落選させるのは、オススメしませんね。
いずれにしても、ヒアリング時間を考える際に、1社60分を超えることは避けたほうが賢明です。「理事会役員や、コンペが公開制の場合は、一般住民が、いかに飽きずに主体性をもって選んでもらえるか」が重要だからです。
そういえば、私が就職活動をしているとき、「会社の顔である人事に力を入れない企業はダメだ」という話を教授から聞き、そのような基準で会社を選んだことを思い出します。コンペでも同じことが言えるかもしれませんね。