当社がA管理組合からプロ理事長を受託してから程なくしてモンスタークレーマーB氏から強烈な電話があったものの、最後は電話が来なくなりました、、、は前回コラムを読んで下さい。
しかしながら、なかなかの相手でしたね。
B氏からは二度と電話がかかってくることはありませんでした。
そして玄関ドアや大規模修繕工事に一切関わらなくなり、工事も終盤に差し掛かったころ、B氏は自分の部屋を売却して出ていってしまいました。
B氏からマンションを購入した新しい区分所有者に連絡をして、玄関ドアを交換し、本工事も無事に竣工しました。
あとになって、今の担当者(マンション管理士)が「監事の方」から色々と教えていただきましたが、当時の理事会や管理会社はB氏に本当に苦しめられてきて、今のような平穏なマンションになったことが信じられない、とのことでした。
どうやらお役に立ったようです。
一連のやりとりから学んだことはありますか。
この話はもう5年ほど前の話で、B氏との会話は記憶の限りでざっくりと書きましたが、このインタビューを通じて言いたいことは、「インプット」したら「アウトプット」すると、頭と体に定着して経験が増しますよってことです。
今回のB氏とのやり取りは
「この手のタイプのモンスター住人へ対処する方法としてのアウトプット」だったのですが、ではアウトプットのもととなる「インプット」とは何かについて具体的にお話しします。
インプットその1:本からの学び
「クレーマーの急所はここだ!」(著:援川聡、出版:大和出版)
今回のB氏と出会うかなり前に購入して熟読したものです。
この本には、クレーマーのタイプ別に対策が書かれていたので、Bさんと電話する前に読み直して、対応を色々とアウトプットしてみました。
インプットその2:親父からの学び
今は亡き僕の親父について、強烈に覚えていることがあります。
僕が小学3年生くらいの時、親父に連れられてドライブをしていて、高速道路のパーキングエリアで休憩していると、今回のB氏のようなガラの悪そうな男が2名、駐車中のクルマに寄ってきて、親父に
「おじさん、これ買わない?」
と包から出刃包丁を出してきました。今思うと、包丁をちらつかせてカネでも巻き上げようしたのでしょう。
すると、親父は冗談とも本気ともつかない顔と声で
『ん~、包丁よりもチャカ持ってないの?●●●製の●●●とか、マシンガンとかはないの?あったら連絡ちょうだいよ』
と名刺を取り出して渡そうとします。
ちょっと人相が怖い(北の偉い人のような顔)親父からそう言われて、この二人は急に腰が低くなり、
『スミマセン、もしかしてこっちの方ですか?どこの組の方ですか?大変失礼しました』
みたいな感じで、そそくさと退散していきました。
親父は別に「こっちの人」ではなくて、賃貸マンションの大家をやっていましたが、趣味で火縄銃や外国製の銃、刀を部屋に飾っていました。(もちろん行政の許可を取った模造品だと思います)
いま、この歳になって子供の頃を思い出すと、親父はちょっとヤバい趣味人だったのかもしれません。
あのときの強烈な記憶、つまり「インプット」が、30年を経て今回のB氏に対する対応、「アウトプット」として活きたのだと、勝手に思っています。
今回はちょっとエキセントリックな話でしたが、インプット(入力)→アウトプット(出力)を繰り返すことで様々な知識をマンション理事長代行としての経験として定着させ、どんなマンションにも対応できるようになるのだ、と信じています。