授業のポイント
- 「~してもよろしいでしょうか?」は自らの生産性を下げるだけ
- なぜ、あなたは「~してもよろしいでしょうか」を使ってしまうのか
- お客様をリードしよう
- 「~しても良いですね」「~させていただきますね」でお客様をリードしよう
授業を担当する、野中心小(のなかしんしょう)です‥。授業をは、はじめましょう・・・
「~してもよろしいいでしょうか」は、生産性を下げるだけ
マンション管理業界に従事する人、特に管理会社のフロント担当者に多い言動のなかで、
「~してもよろしいいでしょうか」
があります。
この言葉は、はっきり言って、時間の無駄で自らの生産性を下げるだけ。管理組合の理事長や理事の方へのお伺いの一言です。この言葉自体が悪いわけではありませんが、次のような場面で安易に使う人が多いと感じます。
- 明らかに「NO」という回答がないようなやりとりに「~してもよろしいでしょうか?」
- お客様に明確な答えがない状況で「~してもよろしいでしょうか?」
- お客様がマンション管理のプロにリードしてもらいたいときに「~してもよろしいでしょうか?」
- お客様に「YES・NO」を言う権限がない内容に「~してもよろしいでしょうか?」
- メールでも、実際にお会いしても「~してもよろしいでしょうか?」
このセリフは、「~しても良いですね」「~させていただきますね」と、こちらに主導権を持った語尾で良いことがほとんどです。
あえてお客様に意見を言う受動的な余地を提供したいなら、「特段の意見がなければ~させていただきます」で十分です。
なぜ、「~してもよろしいでしょうか」を使ってしまうのか
それでは、なぜ管理会社フロントマンなどは、「~してもよろしいでしょうか?」を使うのでしょうか__。
次の理由が推測されます。
- 場面に不要な丁寧語として使っている
- 自分に自信がない
- 口癖でつい
正直なところ、へりくだり過ぎていると感じます。へりくだればへりくだるほど、自然と卑屈が身につきます。残念ながら、こちらがへりくだる程に「偉くなった気分」になって、いじめるような言動を繰り返す相手もいます。
口癖になっている方は注意してください。特にどう考えても「NO」が返ってこないような内容にまで、その言葉を使うのは絶対にやめたほうが良いです。
マンション総会で「採決を取ってよろしいでしょうか?」が無駄な時間と空気を作り出す
マンション総会において、ほとんど質問がない、または質疑回答が出尽くしたのに、静まり返った場の雰囲気に耐えられず「採決を取ってもよろしいでしょうか?」というと、同様に全く質問がないことに耐えられない組合員から、変な質問が出てきて、不必要に時間を消費したり、質問に対する回答が的を得ていなかったりするとさらに変な雰囲気になっていくことがよくあります。
無意識のうちに「~してもよろしいでしょうか?」を使い続けると、潜在意識の中に卑屈さが染み込みます。卑屈さが自信のなさにつながり、自信のなさが一層卑屈にさせます。
また、ほとんどNoの余地がないのに「~してもよろしいでしょうか?」と聞かれると、人によって「わざわざ確認を求めてくるとはなにか問題があるのか?」と深読みして変な質問を返して、その回答で無駄な時間を使ったり、意図的に意地悪でNOを返された場合は、変な議論に発展することがよくあります。
お客様をリードしよう
言葉一つ、語尾一つでお客様の受け取りは変わります。勇気を出して試してみて下さい。
「~しても良いですね」
「~させていただきますね」
と。
あなたが管理会社のフロント担当者だったとしても、またちょっと自信のないマンション管理士だったとしても、あなたにはお客様をリードする権利があり、自信を持つチャンスが有り、お客様の大切な時間を無駄にさせないよう努力する義務があります。