【マンション管理士ふくろうの実践コラム】マンション管理規約は区分所有法に優先する?

先般、ある会での話の流れの中で「管理規約や細則は区分所有法よりも優先します」という発言をしたところ、そこに居合わせた組合役員の方や複数のマンション管理士の方々からも、一様に怪訝そうな顔をされました。

その話題の流れの中では当然の発言をしたつもりだったのですが、その言葉のインパクトの強さに反射的に拒否反応が表れたような印象でした。

私も慌ててその意味を説明しようとしましたが時間が無く、「標準管理規約の規約外事項の条文を確認してください」と伝えるのがやっとで、その場は次の話題に移ってしまいましたので、改めて機会があれぼこの発言の意味を説明しなければ、と思っているところです。

 

標準管理規約第71条(規約外事項)
・規約、使用細則等に定めのない事項については、区分所有法その他の法令の定めるところによる。

<解説>
管理規約や使用細則等は、管理規約の制定の根拠法たる区分所有法や区分所有法の一般法たる民法等の法令で認められる範囲内において、これを定めることができるとされる。この法令の範囲内において管理規約や使用細則等で定められた事項については、それを定めた管理組合においては、これら法令の定めに優先してその規定が適用されることとなるが、管理規約や使用細則等で特に定めていない事項について、区分所有法や民法等の法令に定めがあれば、優先して適用されるものがないのであるから、当然のこととしてその定めに従うことを本条で確認的に明らかにしたものである。
(コンメンタール標準管理規約)

 

マンションの管理規約は、区分所有法の定めに準ずる必要がありますが、管理規約で別段の定めを置くことが可能な事項(任意規定)と、必ず区分所有法の定めに従う必要がある事項(強行規定)があります。

任意規定の場合には、法文に「規約で定めることができる」「別段の定めを妨げない」などの規定があり、これに基づき定められた規約の定めは区分所有法に記載されている規定よりも優先されます。これに対して、強行規定の場合には、管理規約で区分所有法と異なる定めを設けることはできません。

 

 

当然のことですが、強行規定に反して規約で別段の定めを設けたとしても、区分所有法が優先され管理規約の定めは無効となります。よって、法令等を無視してでも規約に定めれば、それが優先されるという事ではありません。

今回の会議への参加者の多くが、私の聞きなれない発言に、「なんでも規約に定めれば区分所有法に優先されるのか」と感じたことが、怪訝そうな顔をされた理由と思われますが、皆さんの理解なくその場が終わったことに残念な気もいたしました。(photo by photoAC)

管理会社での勤務経験でもマンションの現場責任者(事務局長)というフロントマン等とは一味違った実務経験者として、マンション管理に悩む管理組合様を支援させて頂きます。

2 thoughts to “【マンション管理士ふくろうの実践コラム】マンション管理規約は区分所有法に優先する?”

  1. 興味深く読ませていただきました。まだペーパー理事長なので勉強になります。
    ところで、「必ず区分所有法の定めに従う必要がある事項(強行規定)」はどのような条文が該当するのでしょうか?できれコラムで書いていただけると嬉しいです。。。まだ勉強に来ます。よろしくおねがいします。

    1. 強行規定に該当する条文例・・一般的に代表例とされているのが法31条の規約の設定、変更及び廃止や法57条~60条の義務違反者に対する措置ですが、専門書によれば上記の他、法1条~3条、6条~10条、12条、13条、15条、21条、23条、24条、30条~33条、36条、40条、42条~48条、51条、54条、55条、62条~72条とされています。ご要望のコラムでなくて申し訳ありませんがご参考下さい。

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