【マンション管理士ふくろうの実践コラム】マンションの駐輪場不足への対応と共用自転車

時折、マンションの駐輪場に自転車が溢れているマンションを見かけます。中には駐輪場に入りきらない自転車が、玄関ポーチや共用廊下にまで置かれたりしているマンションもあるようです。

その様な状態は、マンション全体のイメージを悪化させ、居住者のすみごこちにも悪影響を与えますので早急な解決が望まれます。

 

 

基本的には、自転車の数に対して駐輪場が不足しているために自転車があふれているのですから、駐輪場の拡張や2段式自転車ラックの導入等で自転車の駐車区画を増やすことが一番なのですが、敷地の問題や資金の問題等でなかなか区画増はむずかしいマンションも多いようです。

区画を増やすことが困難なマンションがとるべき対策は、必然的に「自転車台数の削減」という事になりますが、駐輪場の整理を自転車台数の削減で実現しようとする場合は一般的には次の様な対応が考えられます。

自転車登録制の導入

自転車登録制については、ほとんど乗らない自転車には登録用のシールの購入がもったいないと感じるくらいの料金に設定したり、毎年新たなシールを発行して貼り替えてもらう等の対応が考えられます。
さらには、旧シールの自転車にシール番号を基に居住者に継続の有無を確認したり、シール未添付の自転車には一定期間「警告書」等を取りつけたうえで、管理組合として処分する等の整理も有効です。
これらの方法は一番基本的な駐輪場管理の方法であり、この方法を導入した多くのマンションにおいて、初年度にはかなりの成果が出ています。

自転車登録料を段階的に高く設定する

既に上記の仕組みを導入していても自転車があふれている場合には、2台目、3台目と自転車登録料を段階的に高く設定することが考えられます。中には、世帯ごとに上限台数を設定し、オーバーは認めない組合もあります。

共用自転車(シェアサイクル)の導入

共用自転車とはその名の通りマンションの管理組合で数台~数十台の自転車を保有し、この自転車を居住者に共同利用していただくことにより、各自の自転車所有を抑制してもらうというもので、管理組合の取り組み次第では非常に大きな効果が期待できます。

 

 

共用自転車導入の一番のポイントは、鍵の受け渡し方法をどうするかです。

受け渡し方法には、①宅配ボックスを利用した「宅配ボックス方式」②管理員などが直接鍵を貸し出す方式③共用自転車コーナーに貸し出し簿を置き、利用者自らが記入して管理する方式、などがありますが、それぞれ一長一短です。

①の宅配ボックス方式は、設置費用に50万円~100万円、他に月々のメンテナンス費用が必要ですが、専用カードによる無人運用で24時間の貸し出し、返却が可能で、通信管理システムにより、常に利用状況と利用台数等が把握できるなど、仕組みとしては優れものですので、資金に問題のないマンションや数十台規模の共用自転車を計画する大規模マンションにはお勧めです。

②の管理員方式では、高額の専用ボックスの設置は必要ありませんが、管理員のいない曜日や時間帯などの問題がありますので、年間を通じて24時間管理員や警備員で鍵の受け渡しに対応できるマンション向けと思われます。

上記①、②の方式が採用できない多くのマンションでは③の利用者管理方式での対応となりますが、何の工夫もなく安易にこの方式を導入して長時間利用(通勤、通学利用)された、鍵が戻ってこない、乗り捨てなどで共用自転車がなくなってきた、など無管理状態となり共用自転車導入の失敗という例もあるようですので事前の十分な検討が必要です。

以下、上記の方法とは違いますがAマンションの独自の成功事例を紹介いたします。

  1. 利用登録者に鍵箱の開閉キーと利用札を提供・・年間利用料は低額設定する。
  2. 利用時には鍵箱から自転車キーを取出し同じ場所に利用札を掛けておく。
  3. 使用後は鍵箱に自転車キーを返し利用札を回収する。
  4. この鍵箱を含む共用自転車置き場全体を防犯カメラで24時間撮影していることを共用自転車置き場に明示しておく。
  5. 管理人または担当役員が定期的に共用自転車の利用状況と鍵箱の状況とを確認し不一致があればカメラ映像にて確認する。
  6. 自転車は毎年定期に自転車店にて点検・整備して自転車保険であるSTマークを貼付し、防犯登録シールの貼付も確認する。
  7. もし、自転車に不具合が見つかったときは利用者に自転車店で修理してもらい、レシート額を管理組合が負担する。
  8. 盗難防止のために前かごにマンション名と自転車番号が記載された大きめのプレートを取り付けているが、盗難にあった場合は警察へ届け、利用者から2000円を負担してもらう。
  9. 共用自転車利用細則を制定している。

Aマンションでは利用者からの年間利用料収入より出費の方が多く赤字の様ですが、皆さんが気軽に利用されており自転車台数の削減にも成功して駐輪場がすっきりし、管理組合としても満足されているようです。

マンションは本当にそれぞれですので、確たるやり方があるわけではありませんが、それでも成功事例なども参考にしながら自分のマンションに合った方法を見い出して駐輪場の整理にチャレンジしてください。

管理会社での勤務経験でもマンションの現場責任者(事務局長)というフロントマン等とは一味違った実務経験者として、マンション管理に悩む管理組合様を支援させて頂きます。

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