【マンション管理士ふくろうの実践コラム】「通常の使用」と自然災害

標準管理規約では、バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、1階に面する庭、屋上テラスなどに(その部屋の住人の)専用使用権を認めています。

それら専用使用部分の管理と負担の関係について標準管理規約及び関係コメントは下記の通りです。

 

<標準管理規約第21条1項(敷地及び共用部分の管理)>
敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。

<第21条関係コメント>(関係部分のみ掲載)
③バルコニー等の管理のうち、管理組合がその責任と負担において行わなければならないのは、計画修繕等である。
④本条ただし書きの「通常に使用に伴う」保存行為とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入れ替え等である。
⑥バルコニー等の破損が第三者による犯罪行為等によることが明らかな場合は、通常の使用に伴わないので管理組合がおこなうものとする。

 

上記の通り、標準管理規約では、専用使用部分の「通常の使用に伴うもの」は専用使用権者の責任と負担で行い、管理組合の責任と負担で行うものは、計画修繕等や第三者による犯罪行為によることが明らかな場合としています。

それでは、これらに記載のない「台風や地震等の自然災害による被害への対応」や「経年劣化による不具合への対応」はどのように考えればよいのでしょうか。

 

 

台風、地震等の自然災害による被害への対応

見解①:自然災害によって損傷した場合には特別の事情がない限り「通常の使用に伴うもの」とはいえないため、共用部分の管理に戻り、管理組合がその修繕等を行うことになる。(マン管通信2011.11号:佐藤弁護士)

見解②:台風により物が飛来して窓ガラスが割れた場合や、地震によりヒビが入った場合なども、日常生活の中で発生した事象であり「通常の使用に伴うもの」に該当する。(マン管通信2015.11号:佐原弁護士)

一般的には、通常の使用と自然災害による被害とは無関係と思われがちですが、上記の見解のように、同じマンション管理センター通信に寄稿する専門家でさえも見解が分かれていますし、「管理組合がその責任と負担において行わなければならないのは計画修繕等である」とのコメント③を根拠に、自然災害なども専用使用権者負担という考えもあるようですので、一般に考えるほど単純ではなさそうです。

そうであれば、マンションの組合員の中で「考え方の違い」があっても不思議ではありません。

昨今の印象としては、自然災害が増加しているようにも思いますので、“転ばぬ先の杖”、自分のマンションでは自然災害での専用使用部分への被害対応費用は使用権者が負担するのか、管理組合が負担するのかを規約や細則等にてあらかじめ定めておくことが重要だと思われます。

次回は<経年劣化による不具合への対応>を考えます。

管理会社での勤務経験でもマンションの現場責任者(事務局長)というフロントマン等とは一味違った実務経験者として、マンション管理に悩む管理組合様を支援させて頂きます。

One thought to “【マンション管理士ふくろうの実践コラム】「通常の使用」と自然災害”

  1. 保険代理店の者です。コラム読ませていただきました。
    台風で窓ガラスが割れた時も、日常生活のなかでガラスを割った場合も、ともに共用部の保険で出るのになーと思ってしまいます。

    マンション共用部の保険に入っていて「破損」の特約が付いてる場合に、これら2つの現象が保険の対象になります。

    共用部の保険に加入していても破損特約がなければ、日常生活で割ってしまったガラスは、保険の対象にはならないし、ましてや台風で窓ガラスが割れた件も、そもそも共用部の保険に入ってなければ誰が直すのかとなると思います。

    今、お話している管理組合で無保険の所があったりするので、保険に入ってないとこんな風に決めておかないともめるよな…と思いました。

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