都心タワーマンションの理事会運営は固定概念を捨てる

(三度の飯よりマンション管理好きコラム記事を一部編集して掲載)


都内のタワーマンション理事長より質問です

Q:理事会の定数が25名で、参加率が低いのが悩みです(酷いときは25名中7名しか出席しない)

A:深山回答です

役員定数を減らし少数精鋭の理事会運営
就任意思確認を確実にする
辞退者や欠席者に「理事会活動協力金」を設定する
選任は輪番にこだわらず役員報酬は高めに+監事の機能と人材を強化して透明性確保

回答の解説

理事の絶対人数が多いと、そもそも理事会の会合日程調整がうまくいかないし、日程は合ってもサボる人が出てきます。
また、理事が多く集まったとしても話がまとまリづらくなり、案件が進捗しない理事会に嫌気が差してますます出てこなくなる、という悪循環が生まれます。

そもそも都心のタワー管理組合は
[一人ひとりに役割を持たせて全員で汗をかく]
[公平&チームワーク]

という発想よりも

「少人数で機動的な運営(経営)を」
[ビジネス的にバリバリやりたい人がある程度の報酬を得る]
[長期に務める役員+輪番で新鮮な役員のハイブリット]

くらいの合理的な感覚で取り組むほうが合っています。

まずは理事会役員の絶対人数を減らすことから

心理学的に「構成メンバー全員に存在感があり、発言しやすく、サボりづらい」最大人数は「7名」と言われています。
「神セブン」は理事会運営でも当てはまります。

役員の定数が25名でも7名でも、理事会に出席するのは結局7名程度です。
であれば、最初から7名にしてしまったほうが、参加率の悩みはなくなりますし、少数精鋭になりやすい。
いきなり7名が不安なら「定数は7名以上」として多くが参画することができる状態にしておくことが考えられます。

理事会をやりたくない・できない人にはどんどんスキップしてもらう

ただし、役員の定数を減らしても「もともと理事会をやる気がない方の少人数」は非常に危険なので、予め来期の役員候補に意向確認をし、辞退したい方や理事会開催予定日(例:第◯日曜日の午前)が物理的に出席できない方には「理事会活動協力金」を設定してスキップできるようにすることを提案しますね。

なお、この協力金は「辞退者や欠席者に課すペナルティ的な要素」であっては絶対にダメです。ここで多くの管理組合が失敗します。
あくまで「理事会活動に「お金で貢献」してもらう」という趣旨にしてください。
辞退者本人には「ちゃんとお金で貢献した」という充足感を与え、決して後ろめたさを持たさず気持ちよくスキップさせてあげる事が重要。

また協力金の額は、タワマン住民の市民感覚で「楽に支払って辞退者が続出するような金額は避けつつ、高額過ぎて仕方なく出てこられてもモチベーションが低い理事が多くては困る」という両極端をイメージして、真ん中を模索するなどバランスを考えた金額設定が必要です。
前に都内の某タワーマンション最上階に住む会社社長が「いくら払えば(輪番の)役員をスキップできるの?100万円でいい?」と言ったのを思い出します。これはオーバーな話でも、マンションの価格帯によっては月1,000円とか2,000円とかそんな額ではなく万単位でも良いでしょう。

なお、役員の中には、ビジネスに忙しく出張が多い人も多いでしょうから、理事会にはSkypeやZOOMなどのテレビ電話などが使えるようにインフラを整え、柔軟な運営にしましょう。

もはや輪番制にこだわる必要はない!?

最後に理事会役員の構成ですが、これまでの経験上、全員が自動的に入れ替わる輪番制は、タワマンの多くに合わないと感じています。
要は、長期で理事会に携わり経営的な感覚でマンション管理組合を見る少数の理事が安定的に運営するほうがうまくいくと感じています。

輪番制の良さは「公平性や透明性・多くの区分所有者が理事を経験できること」ですが、雇われ社長が毎年コロコロ変わり、そのたびに運営方針がブレる会社のような運営はタワマンには合いません。
そもそも輪番制で区分所有者に理事を経験させるなど、総戸数が数百戸で区分所有者が頻繁に入れ替わる都心のタワマンでは実現性がないし、上述のように役員の絶対人数を減らせば輪番で役員が回ってくるのが数十年~100年先かもしれません。

公平性→区分所有者の全員が「義務」としての理事会役員を等しく均等に就任する、という発想がそもそも時代遅れです。
適正な役員報酬を払って、権利として役員を引き受けてくれる人に長く理事(=経営)やってもらうほうが合理的です。

長期理事会を監視する機能は思いっきり強化する

透明性→長期政権の最大のリスクは「透明性がなくなること、つまり独裁政権になることやお金に関するチェックが甘くなること」です。
要は、この点だけ厳重にできる仕組みを作りましょう。

ダメ理事を区分所有者が簡単に解任できたり、ダメ理事長を他の理事が簡単に解職(降格)できるルールを作っておけば一定レベルでリスクヘッジできるようになりますし、
監事に外部の人間を採用したり、業務監査・会計監査を強化させることで、透明性や独裁制を防止する仕組みを作りましょう。

この「マンション管理組合の学校」発起人の一人で、マンション管理士(メルすみごこち事務所)とマンション管理会社(クローバーコミュニティ)の代表。まわりが勝手に「すごい人」と誤解しているが、実はマンション管理や修繕の専門知識は高くない。とにかく仕事もプライベートも理事会も「楽しく」「新しい」ことを考えていないとアタマが腐ってしまうので、取り扱い注意。

深山州のゆる~いマンション管理コラム

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