【授業のポイント】
- 都心の一等地に建つマンションが「売れない」原因とは
- 「管理組合」「管理規約」の存在が、資産価値に影響する
- まずは「管理組合」を設立しよう
この授業を受け持つ借押昆(カリオスコン)です。
東京都の都心部には、昭和に分譲された「管理組合のない」マンションがたまにあります。今の当たり前が、当時はそうでもなかった時代に建てられたマンションです。
そのようなマンションには往々にして管理会社が入っておらず、「自主管理」だけで、さしたるトラブルもなく運営していることが多いです。
自主管理自体が悪い、ということではありませんが、あるマンションで区分所有者が所有する部屋を売却しようと複数の不動産仲介業者へ査定を依頼した際、とある問題が発覚しました。
その区分所有者は、部屋の査定に来た全ての不動産業者から、「相当安くしないと売れない。いや、安くしても売れないかもしれない」と、衝撃の回答をもらったのです。
__なぜ都心の一等地に建つマンションなのに、売れないのでしょうか?
それは、マンションを購入する人の気持ちに立てば納得がいきます。
マンション購入者のほとんどが、全額をキャッシュで支払うことはありません。金融機関から住宅ローンを組みますね。
この住宅ローンを組む際に、金融機関は対象となる不動産に、「抵当権をつけるだけの担保価値があるか」をチェックします。
そのチェックで引っかかるのが、
- マンション全体を管理・運営する「管理組合」がない
- 管理組合がない、ということは、内部のルールである「管理規約」もない
- 建物の共用部を長期的にメンテナンスするためのプランや、修繕積立金の概念もない
このように、「将来的な資産価値」に疑念ある物件には、部屋や共有部の状態がよくても、金融機関は住宅ローンをつけてくれないのです。
その結果、不動産仲介業者からは、「金融機関からの支援がない物件には魅力なし」、との回答に至ったわけです。
では、そのようなマンションはどう対応したらいいのか。
やることは、実はシンプル。次のリバイバルプランです。
- 管理組合を設立する
- 管理組合の設立に合わせて管理規約を制定する
まずはこの2つを行うことで、マンション管理組合を設立することができ、管理組合という組織が出来上がります。
そのうえで、
- そのマンションにあった長期修繕計画を作る
- 会計を「管理費」と「修繕積立金」に分ける
という流れで仕組みを作っていきます。
マンション管理士事務所に相談するといいでしょう。
このマンションでは、全区分所有者へ手紙を出し、一人ひとりに理解を求め、最後は設立臨時総会を開催し、その議事録の写しを金融機関へ提出しました。
すると、それまで「担保価値がないから住宅ローンはつけられない」と言っていたすべての金融機関が融資してくれることになりました。
そして部屋の売却を検討していた区分所有者には買い手がつき、近隣の相場程度で売却することができたのでした。
独自の発想と努力の自主管理で、資産価値を守っているすごいマンションも存在していることは確かです。(くわしくはこちらを)
ただ、将来の不安に駆られている「管理組合なきマンション」にお住いの皆さまは、自身のマンションを「住まい」だけでなく「資産」としてとらえ、一歩踏み出していただければと思います。資産を守ることだけ、ではだめですけどね。
書類の有無が融資の条件となる典型的ケースですね。
私も居住用住戸と分譲賃貸用住戸を購入する際、住宅ローンはなんとかなりましたが、資産運用用(兼相続対策用)住戸は同一金融機関で借りられず、別の金融機関に泣きつきました。
幸いなことに融資担当者の判断も加わり、希望の額が借りられました。
管理規約も、標準管理規約準拠ならいいのですが、各マンションバラバラなのに驚いています。
これでは、金融機関の融資担当者も慎重にならざるを得ません。
金融機関の口座もだいぶ整理しましたが、長期間取引のある金融機関は、それだけでも有利になりました。
器用人さん。コメントありがとうございます!そうなんですね。規約はバラバラで、中にはえっ?て内容もあるんですよね。