現政権で推進した、「脱印鑑」のおかげで、基本的に消防署へ届け出る書類にも押印がいらなくなりました。非常にありがたいです。
今回は、まさに、日本が「印鑑主義」だったころの苦労話をお伝えします。
埼玉県川口市の雑居ビルから統括防火管理者の委託のご依頼を受けました。
消防署へ提出する統括防火管理者選任届の付属書類に、各テナントが当社を統括防火管理者として認める「委任状」があり、各テナントの署名と印鑑を押す欄があったため、各テナントに署名押印をいただくことになりました。
しかし、どうしても一つのテナントから「署名」はいただけましたが「印鑑」がいただけません。
外国の方が経営しているお店で「会社に印鑑がない」という理由でした。
管轄の消防署に書類をそろえて統括防火管理者の選任届出に行きましたが、やはり上記書類に押印がないため、受理していただけません。
印鑑がないと手続きが進まないので困り、法務省へ確認しました。
日本で法人登録する会社には印鑑がないはずはありませんが、海外で法人登録した会社の場合には、そもそも印鑑は必要ないので、そういう場合もありうるでしょう。
しかし明確に「印鑑なし」が認められる、といった回答は得られません。やはり日本は「印鑑主義」だったのです。
そこで再度消防署へ行き「どうしても外国人テナントから印鑑がいただけない。印鑑なしで消防署に受理いただけないと、このビルの統括防火管理者の選任届は誰がなっても未来永劫受け付けられず、未届け状態となってしまいます」と、すがるように訴えました。
すると、このやり取りを聞いていた上席の方が「事情はわかりました。ここまでの対応は大変だったでしょう。委任状にはテナント直筆の署名がありますので、今回は印鑑なしで受付します」と特例的に受理していただけました。
本当に感謝です。
日本の未来に期待。