【ゼネコン、デベロッパー経由、マンションのかかりつけ医 井上毅 渾身のコラム】マンションでカビが発生した時の5つのチェックポイント

カビは多くのマンションで悩みの種になっています。白いクロスに黒い点状のシミがつき、やがてそれが広がって薄汚れていき、拭き取っても消せない汚れになっていきます。またカビ臭さが部屋中に広がり、生活するのが不快になっていきます。そこで今回は、カビが発生した時にチェックしたいポイントを紹介していきたいと思います。

新築のマンションには、まだまだコンクリート内に水分が残っており、徐々に水分が抜けている状態です。マンションの周辺環境や気象条件によって変わりますが、新築マンションの最初の数年間はコンクリートから水分が抜け出しており、どうしても湿気が溜まりやすくなります。最初の数年間は換気をこまめにして、空気の入れ替えに気をつけてください。

マンションでカビが発生する場合、壁に結露が発生していないか注意が必要です。建設時期によって断熱材の厚さが違います。そのため古いマンションの方が結露が発生しやすくなっているので、換気をこまめにしたり除湿機を使うなどの必要があります。薄い断熱材に断熱材を追加して分厚くすることも可能ですが、内装を全て剥がすことになる(スケルトン状態にする)ので工事費が高額になってしまいます。

このように断熱材の厚さは簡単に変更できないので、換気をどれだけできるかがカビ対策のポイントになります。ですからもしフルリフォームをする際には、断熱材を厚くすることも検討してみることをお勧めします。フルリフォームのタイミングでもなければ、なかなか工事ができないからです。

 

 

以下、カビが発生したときの5つのチェックポイントです。

①24時間換気を動かしているか
建築基準法が改正され、2003年7月以降のマンションには24時間換気が設置されています。シックハウス症候群の対策として導入された24時間換気ですが、2時間に1回のペースで部屋内の空気を入れ替えるので、部屋内に溜まった湿気を外に出す効果もあります。中には寒いからという理由で24時間換気を止めてしまう人もいますが、特に新築から数年間は止めてしまうと室内に湿気を溜め込んでしまう原因になりかねません。もし寒い場合は、一時的に給気口を閉めるなどして24時間換気のシステム全体を止めないようにしましょう。

②加湿器を何台も設置していないか
冬の間は空気が乾燥するので、加湿器を設置する家庭が多いと思います。6畳用の加湿器を6畳の部屋に1台設置するのは全く問題がありません。しかし乾燥を気にするあまり、2台も3台も設置すると湿度が高くなりすぎます。ましてや新築マンションならコンクリートから出ている水分もあるため、気がつくとかなりの湿度になってしまうことがあります。室内にカビが出ると悩んでいる方の何割かは、加湿器の過剰な設置が見られます。

③石油ストーブを設置してお湯を沸かしていないか
これはお年寄りにありがちで、昭和世代の人は石油ストーブの上にヤカンを置いてお湯を沸かしていました。水蒸気が出るので室内を加湿してくれるため、石油ストーブとヤカンはセットみたいに思っている人もいます。しかし古い戸建住宅ならともかく、機密性の高いマンションで行うと、あっという間に湿気が室内に溜まってしまいます。過去にはストーブで湯を沸かしていたため、フローリングまで浮いてしまった部屋がありました。

④お風呂に入った後、ドアを開けっ放しにしていないか
室内で最も湿気を含んでいるのはお風呂です。お風呂から出た後に、ドアを開けっぱなしにしておくと浴室内の湿気が洗面所に溜まってしまいます。お風呂から出る際にどうしても浴室内の湿気が洗面所に出てしまうのですが、多少の湿気なら洗面所の換気扇を動かしていれば湿気はすぐに外部に排出されていきます。問題は開けっ放しにしてしまうことです。お風呂から出る際にドアを開けっぱなしにしたままにする人は意外と多いらしく、無意識の人も多いと聞きますので、意識して早めに閉めるようにしてください。

⑤洗濯物の部屋干しをよくやっていないか
梅雨の時期など、洗濯物の部屋干しはよく行われます。もちろん部屋干しが悪いわけではないのですが、部屋干しを行うということは洗濯物の水分が部屋の中に放たれるということです。当然ながら部屋内の湿度が上がります。部屋干しをする場合は、除湿機を使うなどして部屋の湿度が上がりすぎないようにしましょう。

カビの発生は周辺環境の問題もありますが、部屋内に問題がある場合はある程度の改善ができます。カビが発生している場合は、ここに挙げた5つのポイントをチェックしてください。改善できる点から始めることで、少しでもカビの発生が緩和できるかもしれません。

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