【マンション管理組合の教科書】理事長代行でマンションのスラム化をストップ

【授業のポイント】

  • 第三者管理者方式とは、外部のプロに理事長を任せること
  • 管理組合が機能しなくなる危険性の高いマンションとは
  • 安易に任せてはいけない理事長代行がいる

OEKAKI58

この授業を受け持つ、新田矢来人(あらたやくると)です。

皆さん、マンション管理において、第三者管理者方式ってご存じですか?

これは、「区分所有者全員で行うべき管理組合の運営について、区分所有者以外の第三者に管理者としての権限を与えることで円滑に行うことを目的とした方式」のことでして、つまり、「マンションの理事長を外部のプロに任せよう」という考え方なんですね。

世の中のマンションのほとんどが、理事長や理事は区分所有者から選び、定期的に理事会を開催している状況だと思います。ところが、この「第三者管理方式」では、理事長をプロに任せ、高いレベルでマンションの運営を委ねることになります。当然報酬が発生しますが、理事会自体がなくなり、人によっては恐怖の輪番制で「次、俺やん!」という事態がなくなるわけです。

第三者管理方式が生まれた背景は、「住人の高齢化などで理事のなり手がなく、運営主体がおらず無政府状態がスラム化を進行させる」といった事情があります。

例えば、築30年経ったマンションの場合、新築時に40歳だった区分所有者は70歳になり、多少の入れ替わりが合ったとしても、総じて区分所有者は高齢化していきますね。こうなると、体力的に理事を引き受けることが難しくなる人が多くなります。

そして、気がつくと毎年同じ人が理事長をやっている、やらされている、かな……がよくあります。
この理事長がいなくなると、まさに無政府状態、管理組合が機能しなくなります。

このような管理組合が機能しないマンションには、賃貸率や空室率の高さから

  • 投資用ワンルームマンション
  • リゾートマンション
  • 賃貸化したマンション

が該当しやすい、と言えます。

このように、理事のなり手がいないマンションでは、この「第三者管理方式」つまり、「プロ理事長のアウトソーシング」で、課題解決を図ることができるようになります。

ただし、ひとつだけ気をつけてほしいことがあります。実は、唯一「理事長を安易に頼んではマズイ」ところがあるのです…。

それは、「マンション管理会社」です。

日常の管理業務を担っている管理会社。加えて、理事長もお願いしては、管理組合のお金を含め全てが管理会社のコントロール下に置かれてしまいます。もちろん誠実でクリーンな管理会社であったり、内部統制が取れているとか、管理組合や別の第三者によるチェック機能があればよいですが、そうでなければ、自分の財産を全くの他人に「何の保証もなく」預ける行為は、痛恨の自打球と言えるでしょう。

とはいえ、管理会社以外であれば良いか?といえばそうでもありません。

「プロ理事長になる者がマンションのお金を自由に扱えないような仕組み」になっていなければ、マンションの財産を安心して任せられませんよね。その意味で、管理組合は管理会社にこれまで通り出納業務を委託し、「金庫番」としての役割をもたせ、プロ理事長といえども管理会社を通さねば出金できないようにすることで、お金に関する問題はクリアになるでしょう。

もちろん、自分たちの資産向上のために、区分所有者自らで構成された管理組合がベストであることには変わりはありませんが、無政府状態が危惧されるマンションにお住まいのあなた___。

その時は、安心して任せられるプロ理事長代行に是非ご相談を。
「代打、オレ」といえるプロに!

 

「【マンション管理組合の教科書】理事長代行でマンションのスラム化をストップ」への3件のフィードバック

  1.  管理者代行にふさわしいのは、真面目でまともな排他をしない、「そのマンションに住むか、熟知しているマンション管理士等」です。 資格の有無は問いません。 そして安易に勝手な法解釈を行わず、そのマンションに合った、管理運営ができる方です。 マンションの管理規約は、標準管理規約に沿って行われているところが稀なことも、管理組合交流会で判明しました。 当マンションは2棟のため、本来団地型ですが、65戸の中規模マンションなので、単棟型で運営しています。
     建て替え前も2棟ですが、標準管理規約さえない時代なので、単棟型で管理運営していました。
     知識や経験のない方には、マンション管理運営は難しすぎます。 同じくマンション管理士等でも、経験を積まないと、「本当の」マンション管理士にはなれません。 ペーパードライバーが運転をできないのと同じことです。
     管理会社には、歳入と清掃員派遣のみさせて、歳出は専門的知識者等がいいでしょう。

    1. 器用人さん
      コメントありがとうございます。まさにおっしゃる通りです。

  2.  マンションスラム化に対抗するためには、最終手段が第三者管理です。
     マンションは「そのマンション」を実際に「見て」、最終的には「暮らす」ことが必要です。
     マンションの老いは、2つではなく、3つです。
     それは「制度の疲労」で、疲労回復は見込めず、使用形態や所有形態の変化に、諸法令等は対応できません。 しかも、諸法令は「あいまい」ですから、疲れはさらに重なります。
     マンションは「暮らしの場」で実質的なものです。
     実態に合わない諸法令は撤廃や改正が必要です。
     法は人の為にあり、法があるから人がいるのではありません。

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