■リノベ再販会社がマンション管理業に進出!
課題山積のマンション管理を根本から変える「トクミン」
2021年05月10日 CNET Japan 加納恵 (編集部)
https://japan.cnet.com/article/35169971/
不動産テック企業の特集で新たに管理業をスタートさせた「リアークスファインド」という会社が紹介されている記事です。
※タイトル中の「トクミン」は管理業務に必要な多くの機能を担うアプリの名称で、他社との差別化ポイントとして訴求されています。
管理会社が不動産仲介業に乗り出すというのはよくあることですが、
リノベーション再販会社が、本業の集客のために管理業に乗り出すというのは
なかなかユニーク、というか聞いたことがないかも?
専有部分を購入・リノベーションして再販売するリノベ再販企業は、
仕入れ(物件の購入)が生命線ですから、専有部分の売買に関する情報を
早い段階で押さえることができる管理業務に出ていく、
という戦略は理に適っていますね。
専有部分の買い取り再販は、本来「(相手が誰でもいいので)売って終わり」ですが
自らが管理を受託しているマンションともなると、変な買主に売ると
後々自らの首を絞めることになるので、より厳しい目で審査をすることになり、
管理組合にとってもメリット大です。
また、専有部分をより高い価格で売ろうとすると、
必然的に共用部分の管理業務にも力が入ります。
加えて記事にあるように、土地活用の提案力が高い不動産であれば、
マンションの敷地・建物の有効活用も期待できます。
あれ?いいこと尽くしでは??
そう、それこそが、たとえ一時であっても「所有」するという
重い決断のなせる業なのかもしれません。
心配なのは、管理業を受託したものの、いい物件があまり出ず
出ても思った価格で再販できないとなった場合です。
そこで管理業の方も儲かっていなければ、次に行きたくなるかもしれませんが
簡単に管理委託契約を「切られてしまう」と管理組合はとばっちりです。
その辺りはプロですから、マーケティング×目利きでリスクを低減してくるはずです。
リアークスファインド社がどのような戦略で顧客を獲得していくのか興味深いところです。
マンション管理士。世田谷区在住の実は関西人。自ら居住するマンションの理事長を歴任し「住民・理事の目線」を持ちつつ、某大手インフラ系企業の経営企画室で鍛えられた情報収集力・整理力・課題発見力を活かし、現在は株式会社メルすみごこち事務所の経営アドバイザーを兼務している。