(マンション管理組合における)監事とは

★マンション管理組合における監事とは、理事会がマンションの執行部として業務を適切に行っているか(業務監査)。そして管理組合の財産(会計)を適切に維持しているか(会計監査)をチェックするために設けられた、理事会とは別の役職です。

監事には理事会での決議における議決権(賛成/反対に一票を投じる権利)はありませんが、出席して意見を述べることができ、理事会に不正があると認めたときには、臨時総会を招集することができる、マンションの適正運営のためのキーマンといえます。

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マンション管理士よりひとこと

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企業(法人)ではコンプライアンスの重要性の観点から、外部監査の重要性が再認識されていますが、マンション管理組合では監事の重要性の認識がほとんどありません。

会計は管理会社がやってくれているし、業務監査といっても同じ住民同士をチェックするなんて、、、といったところでしょう。

新しい理事会役員の間で役職を決めるとき、互いに「理事長にはなりたくない」「具体的な仕事のある役職はやりたくない」と重職への就任を譲り合う光景をよく目にします。

そんなとき、管理会社フロントマン(担当者)のほとんどが、「監事は年1回の会計監査くらいで、その時は当社が会計をサポートしますし、普段の理事会に必ず出席しなければならない、というわけではないですよ」と、監事はいかにも楽で、誰にでもできますよ的なトークを展開し、一番関心のなさそうな方や、高齢で毎回の理事会に出られなそうな人を探して監事に推薦します。

一方、理事は理事会に出席しないと理事会の会合が成立しなくなるため、仕事で忙しく理事会へなかなか参加できなさそうな組合員に出席義務のない監事へと就任してもらうこともあります。

他方で、都心のマンションやタワーマンション・大規模マンション・高額所得者が所有するリゾートマンションなどでは、税理士や公認会計士、企業で経理部門で責任ある役職に就くような方が管理組合の監事を務めることがあります。特に会計監査能力ある組合員が理事になる率が高いためです。

このような「本格監事」は、管理会社のフロント担当者や本社会計担当社員より数段上の会計知識を持ち、管理会社もタジタジとなります。

また、タワーマンションや大規模マンションでは、会計監事を外部から招へいするところも出てきました。これに呼応して、管理組合の会計監査を売りにする公認会計士もいます。

億単位でかつ全組合員の公金である管理費や修繕積立金のチェックをプロに任せるのも妥当な考え方です。

マンション管理組合の監事と理事長ほど、人のマインドや能力により一年間の結果が極端に異なる役職はないかもしれません。

 

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