【新人マンション管理士レポート】よくあるマンショントラブル事例6項目

講演「マンションの理事になった人のための基礎講座」から(4回目)

メルすみごこち事務所のメル夫です。只今研修中です。先々週の土曜日に、日下部理恵先生のご講演「マンションの理事になった人のための基礎講座」を拝聴する機会がありました。タメになると感じた内容をご紹介したいと思います。

今回はよくあるトラブル事例です。6項目のチェックをしてみましょう。宜しくお願いします。

【よくあるトラブル事例】

理事になったら、よくあるトラブル事例を予めチェックしておきましょう。以下は代表的な6項目です。

① ペット禁止のマンションなのに、ペットを飼っている人がいる

最近の新築マンションではペット可になっているところが増えています。規約を改正して、ペット可にする案もあるかもしれません。総会の4分の3の決議で規約を変更することができます。

②上階や近隣の騒音がひどい

騒音問題には客観的な状況把握が必要です。公的機関から測定器を借りて発生源の音を測定しましょう。基準外でないことがわかるかもしれません。

③ごみを分別しない人がいる。粗大ごみを放置する人がいる

粗大ごみ等の放置のまま引越す方もいます。ペット・騒音・ごみはマンションにおける代表的なマナー違反問題です。規則のほかに、マンションライフが初めての方、あるいは日本での生活習慣にまだ馴染まない方等のために、「入居のしおり」を作成し、マンション生活の入門教育を行うこともお勧めできます。最近では、何か国語にも翻訳して配布するというマンションも現れました。

④空き駐車場が増えている。違法駐車がある

平成19年以降、都市部を中心に所有率の減少が続いています。その為、マンションにおいても駐車場施設に空きが生じ、駐車場収入が減り、マンション建設当初の収支計画が狂い、収支問題が生じている管理組合もあるそうです。メンテ費用や修繕費用等が修繕積立金会計に入っているか注意しましょう。
所有する車体サイズと機械式駐車場の収容可能サイズとが合わないケースも増えています。ニーズに合わせた機械式駐車場の改造を行う場合、バイク置場等へ転用しても、収入減、改造費増で出費が増え、大規模修繕積立金が不足する可能性もありますので十分な検討が必要です。

⑤放置自転車が多い。駐輪場やバイク置場が足りない

車離れで、駐輪場やバイク置場需要が増えています。特に電動型自転車や、子供乗せカゴ付き自転車は広いスペースが必要で、かつ二段式に乗らないので広い駐輪スペースが必要となっています。

⑥ 大規模修繕工事の資金が足りな(管理費の滞納者がいる)

管理費の滞納は消滅時効が5年なので、(最終入金日より)古いものから1円でもよいから払ってもらいましょう(時効の中断)。外国人の場合(特にアジア圏)には、管理費の慣習がないので、理解してもらうのが大変です。

【メル夫の気づき】

①機械式駐車場の改造は大変高額になりますので、例えばリニューアル費用とメンテナンス費用(フルメンテナンス契約)をセットにしてリース契約とするという、「リ・パーキングプラン」という案も出てきています。事前に良く業者にご相談されると良い思います。

②資金不足を補うために収益事業を行う際は、課税申告が必要なことを忘れないでください。携帯基地局の課税申告漏れ等の事例があります。自動販売機、駐車場の外部貸出(サブリース契約等)、広告塔、携帯電話の基地局、トランクルーム外部貸出等も同様です。

③駐輪場に空きがあっても、広さ(高さ)の関係で駐輪ができないと、自室前のアルコーブ(共用部分である空きスペース)等に駐輪し、収入減とともに、マンションの美観や衛生面の確保を阻害する要因となってきます。駐輪場の整備計画は迅速にかつニーズにあった対応を行う必要があります。
メル夫のマンションの駐輪場は広くはありませんが平置きなので、駐輪場不足問題になっておらず助かっています。

④管理費等には5年の消滅時効があることは知っていましたが、消滅時効の中断の対策として、「古いものから1円でもよいから払ってもらいましょう」は気が付きませんでした。参考になりました。

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