【新人マンション管理士レポート】マンション大規模修繕工事の施工業者実務入門(3回目)

メルすみごこち事務所のメル夫です。只今研修中です。今週は、メル夫が担当している、大規模修繕工事の施工者選定業務の概要を例に、メル流施工業者選定をご紹介させて頂きます。第3回目は、公募の状況と声掛け実施をさらに詳しく伝えます。

【公募の状況による声掛け実施】

公募の状況は毎日記録し、管理組合に毎日報告します。当社の場合、募集での選定対象会社数は10社から15社が理想だと考えています。応募は最初少なく、後半急増するケースが多いですが、締切4、5日前になっても10社に満たないと、少し心配ですよね。10社にも満たないケース、当社の場合、過去において見積りに参加頂いた会社や実績がある会社の中から、募集要件を満たす会社に参加のお誘いを行います。

この方法は、区分所有者の紹介や推薦に基づくエントリーを含め、「公募とは言えない」との見方もありますが、10社から15社の中から好ましいと思われる4~5社を選び、次にその中から最も好ましい1~2社と絞ってゆくほうが、管理組合にとってベストな選択ができるのです。

当初応募頂いた会社には、募集要件を満たすとしても、色々な会社が含まれています。比較的少ない応募業者のなかからいきなり1~2社を選択するのは、色々な意見や見方が出てしまい、理事や修繕委員の意見を集約しずらいのです。10から15社の中から4~5社、その中から1~2社。2社の場合は最終的にどちらかを選択、という手法が満足のいく結果を導くことができます。

【メル夫の気づき】

官公庁で行われている、「見積合わせ」と「入札」を比較してみましょう。

「見積合わせ」はあらかじめ信頼する業者を数社指名し、各社に見積りを提出させ、その中から最適な業者を選定します。

「入札」は工事の仕様書を作成した後に配布し、多数の業者の入札の中から、最も低い金額の業者を選定します。この場合、価格のみで決定するという公平さはありますが、品質の悪い不適格業者が価格の安さだけで応募し、受注するリスクもあります。

粗悪工事が原因で事故が発生している事例もあります。貴重な税金を投入するのですから、品質の保証が得られる中で、きちんと選定しないといけません。
マンションの大規模修繕工事においても、応募した数少ない業者、かつ価格のみでの選定は、入札と同じ粗悪工事をつかむリスクがありませんか?

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