国土交通省が報道発表した平成30年度のマンション総合調査によると、修繕積立金が不足しているマンションの割合は34.8%で、長期修繕計画に対して20%超の不足となっているマンションの割合は15.5%となっています。また、同調査によると、管理費・修繕費の滞納戸数の割合は、築9年を超えてくると2割以上、築29年を超えると3割以上となっています。
さらには、次の3つの要因からも、修繕積立金が不足していくと考えられます。
【要因①】専有部の給水管・排水管の修繕費用
修繕積立金は共用部に対する積立が原則であり、専有部の費用はほとんどの管理組合では含まれていません。ただし昨今のマンションで水漏れが多発しているのは、共用部よりも配管の肉厚が薄く細い専有部であり、専有部の配管保全をいかに行うかが喫緊の課題となっております。配管の保全費用は高額であり個別に行うよりも共用部と一括して修繕したほうが、費用も抑えられるということもあり、場合によっては規約を変更してでも修繕積立金で対応するケースが増えてきています。
【要因②】永住意識が高まる中で「改良」の必要性が増す
築50年、60年と長期間にわたり住み続けるには、より長期的な「修繕」を行っていく必要があります。さらに社会の変化等により向上していく水準に合わせて「改良」をしていく必要があり、「改良」をせず「修繕」のみを行っていると、新たな入居者が入りづらくなりスラム化していく恐れがあります。第3回、第4回、第5回の大規模修繕では「修繕」でなく「改良」の費用がより必要となってくると考えられます。
【要因③】連絡先不通・所在不明者の増加
国土交通省の平成28年度の調査で「連絡不通等または所在不明者が存在するマンション」は全体の13.6%を占め、平成30年度の調査でさらに、全体の2.2%のマンションで20%以上の住戸が連絡不通等または所在不明者が存在している状態となっています。高齢化・相続放棄等に伴い今後はますますこの割合は増えていくと予想されます。
「専有部の配管の修繕費用」と「改良」費用が増えていく中で、修繕積立金を徴収できない住戸が増えるリスクが高まり、居住している住民ひとりひとりの負担額が、更に増加することが予想されます。しかしながらマンションが高経年化するにつれ、住民の高齢化が進み、年金生活者も増え、修繕積立金をこれ以上上げられないといった状況になる可能性もあり、貴重な修繕積立金をなるべく効果的に今のうちから活用してくことが望まれます。
専有部の配管の修繕費用をなるべく抑える代替案としては、更新工事費用の数分の1の費用で、水処理装置エルセをマンションの根元に設置することがあげられます。(マンションの配管を保全するエルセについてはこちらをお願いします)
優先度が低くなりがちなマンションの給排水管の保全。とくに専有部は、修繕積立金でカバーされず各自の負担となる組合が多く、年月を重ねるごとに、ボディーブローのように配管の保全費用が重くのしかかってきます。利害関係者に振り回されず無駄使いを避けるちょっとした情報をご提供いたします。【配管保全センター株式会社】https://haikan-hozen.co.jp/
水道は、電気、ガス、電話と同じく、いやそれ以上に重要なインフラです。
使用料金が未納になっても、水道だけはしばらく止めない地方自治体が多いのも、そのためです。
いい加減な修理は、マンションの寿命を縮めることになりかねません。
その事から、専有部分、共用部分の問題で、もめている暇はありません。
そのまま住み続けたい場合は、美観を犠牲にしても、借金をしてでも、早期に実施されることをお勧めします。
水処理装置をマンションの根元に設置することも、設備が新しければ効果は期待できますが、老朽化した設備は、業者と十分確認したうえで検討されるようお勧めします。
はい、いつも管理組合さんにお伝えしておりますが、給排水管の取り替えは可能な限り、優先度を高くして対応すべきです。まずは取り替えできるよう努力すべきかと考えます。
最近、給排水管の取り替えを格安で行ってくれる良心的な業者さんを知りました。
実際の工事の品質や費用を確認の上で、適宜ご紹介いたします。