【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その5 法定設備点検

あるマンションの理事会に出席した時のことです。管理会社のフロントマンSさんから理事会に以下のような報告がありました。

「先月行った設備点検の結果があがってきました。指摘事項が一つあります。受水槽のオーバーフロー管に不良があるとのことです。」

1年に1回行う建築設備定期検査が実施され、管理会社経由でのその結果の報告です。

「えー、そうなんですか。急ぎ直さなければならないのかな。そうなると修理が必要になり費用が発生するんでしょ。幾らぐらいかかるんですか。」

築30年超のマンションで日常的な小修繕工事が増えてきているため、理事長さんが悲鳴をあげました。

「詳しいことまでは把握していませんし工事費は見積りを取らないとわかりませんが、専門の会社から人間が来て修理をするので5、6万円はかかるかと思います。」

「そんなにかかるんですか。サミーさん、ちょと報告書をよく見てもらえませんか。」

こんなやり取りがありサミーのところに「建築設備定期検査報告書」がまわってきました。

 

 

そこで該当のページをチェックしてみると、確かにオーバーフロー管の不良なのですが、大きな破損等ではなく管下端部防虫網の破れとのことでした。オーバーフロー管というのは受水槽内の水位が設定よりも高くなってしまうことを防ぐために水を逃がす管のことです。排水される下端部分の管が切りっぱなしの完全な開放状態になっていると、虫や小動物がオーバーフロー管から受水槽に入り込んでしまいます。そこでこの部分には金属性の防虫網を取付けるとされているのです。

小さなものですが良好な水質を担保するためには重要な部材です。ただそれほど高額のものではありません。

「Sさん、報告書をチェックしたところ指摘内容はオーバーフロー管自体ではなく防虫網の破れのようですよ。これは重要なところで急ぎ修理したほうが良いですよね。ただ費用はそれほどかからないでしょう。新築時からの長いおつき合いの設備会社さんですから安くお願いしてもらえませんか。」

「サミーさん、そういうことですか。ではSさん、急ぎ修理の手配をお願いします。網の取替えだけだから1万円もかかりませんよね。理事の皆さんもよろしいでしょうか。」

理事長さん、ちょっと勢いづいてSさんにお願いしていました。結果的な工事費が幾らだったか忘れてしまいましたが、理事会皆さんの納得する金額で補修工事は行われました。
今回はこのまま、少し法定点検のお話しを続けていこうと思います。

 

一級土木施工管理技士、一級建築施工管理技士、二級建築士、マンション維持修繕技術者。建設コンサルタント、住宅メーカーなどの勤務を経て家業の工務店を継承。マンション管理士試験に合格後、行政の窓口などで多くのマンション管理相談に携わり、顧問・アドバイザーにも就任。問題を抱えているマンションの力になりたいとメルすみごこち事務所に参画。

One thought to “【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その5 法定設備点検”

  1.  マンションではありませんが、事実上のカルテルに悩まされました。
     30年前の話です。
     その頃の業界は、地域割りができていて、他の業者に依頼しても、たいして工事内容も費用も変わりませんでした。
     ただ、確実に仕事が出来るため、例の状態では、防虫網の取替しかしませんでした。
     費用も防虫網の代金と、常識的な手間賃だけでした。

     

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