【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その4・つづき 小修繕工事のチェックに行ってみて

工事の人件費32万って…ひとり8万!?

~前回(その4)はこちら

 


 

うーん、これはないよな…。公共工事の積算基準を思い出しながら説明を始めました。

「公共工事での労務費の一日あたりの単価は、普通作業員・特殊作業員・大工などありますが、2万円~2万5千円、高くても3万円程度だったかと思います。3万円の作業員が4人来て、設計監理業務としての主任技術者(6万円/日想定)のような人も監督的に入ると仮定します。すると3万円×4人+6万円=18万。人件費(労務費)としては20万円程度までではないでしょうか。経費もかなり高く、人件費(労務費)に加算される法定福利費などは十分過ぎるほど経費に含まれていると思われます。」

ザワザワザワ。理事の方たちも発言し始めます。

「一日で32万円なんて高すぎるわよ。」

「いや20万円でも高い、監督が一人来たとしてもあとの作業員は2万5千円みれば十分。」

「今までも修繕工事が高いと思ってたんだ。おたくは工事で儲けようとしているね。」

工事担当者は言葉に詰まり上司が収拾に入ります。

「私は工事のことはあまり詳しくはないですが、管理士さんの説明も納得できるところはあり、皆さんのご意見も拝聴いたしました。こちらも会社としていい加減な見積りは出しているわけではありませんが一度持ち帰り精査してみます。」

管理会社は風のように退散していきました。

 

 

「サミーさん、なんで管理会社はあんな見積りばかり出してくるのかしら。」

「今回の見積りだけを見て判断するのは難しいです。ただ話しの中で、フロント担当者はもちろんのこと工事担当者も工事内容を正確に把握していないように感じました。実際に工事を行う会社(2次下請け)の見積り額は45万円程度、1次下請け会社で55万円程度、更に管理会社が単純にドカンと乗せたため説明がつかないような見積り額になったのかもしれません。」

「ひどいわね。今まで20年以上ずっと同じようなことをしてきたのね。」

「悪徳管理会社だ!」

理事の方たちは憤慨しています。ただこうしたことは管理会社だけの責任ではありません。

このマンションでは私が「マンション管理適正化診断サービス」を行う以前は小修繕工事は管理会社へ全てお任せ・丸投げだったようです。これでは始めは真面目にやっていた管理会社も段々とルーズになってしまいます。小さな修繕工事でも、できる範囲で金額をチェックする、相見積りを取り比較検討するなどしていくことが重要です。

一級土木施工管理技士、一級建築施工管理技士、二級建築士、マンション維持修繕技術者。建設コンサルタント、住宅メーカーなどの勤務を経て家業の工務店を継承。マンション管理士試験に合格後、行政の窓口などで多くのマンション管理相談に携わり、顧問・アドバイザーにも就任。問題を抱えているマンションの力になりたいとメルすみごこち事務所に参画。

2 thoughts to “【マンション管理士サミーのよろず相談日誌】-その4・つづき 小修繕工事のチェックに行ってみて”

  1.  まさに「素人」騙しの手口ですね。
     「もの」と違い、相場が分かりませんし、場所により職人の相場は変わります。
     安ければいいのではなく、職人が真に必要で適正な利益を確保できる、費用が必要です。
     管理会社は、鞘取り、コロガシ、丸投げなどで、適正利益の算出もできなくなっています。
     マンション管理士は、得意分野で実力を発揮し、分からない分野では他のマンション管理士や他の専門的知識者の協力も得て、「適正利益」の確保に向け努力してほしいと思います。

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