【マンション管理組合の教科書】マンション大規模修繕工事、失敗しないために

授業のポイント

  • マンション管理会社が「自ら施工業者」となっている
  • 管理会社が大規模修繕工事への関与を高める2つの理由
  • マンション管理組合は自ら主導権を

 

 

修繕積立金の守護神、織場漢(おりばかん)です。

マンション管理組合の主な仕事といえば、管理事務や清掃作業などの業務通じてマンション管理組合のサポートをすることですが、最近は大規模修繕工事への関与を強めています。設計監理や施工業者の紹介程度で小さなリベートを狙っていた管理会社が、「自ら施工業者」となり、より大きな利益を狙いに来ているのです。

はじめのうちは、独立系といわれる管理会社か、自社に工事部門を抱える一部の管理会社だけが狙っていたゴールでしたが、ここにきて「デベロッパー」といわれる、いわゆる大手の管理会社もシュートを打ち込んできています。

管理会社が大規模修繕工事への関与を高める要因は2つ考えられます。

1つ目は、親会社からの管理物件の供給減少です。

少子高齢化や空き家の増加という社会現象に加え、建築資材や人件費の高騰で新築マンションの販売価格が高くなり、マンションの需要に変化が生じました。在庫も増えたことで、リーマンショック前と比べて新築マンションの建設が大きく減り、このことで新規の管理物件も減ってしまったのです。

2つ目は、管理委託料の伸び悩みです。

人件費の高騰で管理会社の利幅はプレッシャーを受けています。しかしながら新築時に定めた、管理会社の本業といわれる管理委託料を今さら引き上げることは極めて困難です。最近はインターネット掲示板等で、「管理費は削減できる」といった情報も多く出回っており、管理会社にとっては厳しい環境となっております。

管理会社が自ら施工業者として大規模修繕工事を請け負うこと自体は、決して悪いことではありませんが、「管理組合が主導権をにぎり、管理会社が良きパートナーとして管理組合の利益にかなうか?」を見極める必要はあります。というのも、管理会社には経験上、次のような傾向があるので注意が必要です。

  • 修繕専門会社を下請けとしてつかって請け負わせる際に、管理会社の利益も計算することから結局のところ割高になる。
  • 管理会社自体は修繕工事の専門スタッフが手薄で、現場を見ることが少ない。
  • 日常管理と修繕では対応部署が異なるため、連携が良さそうで悪い。

大手管理会社は倒産リスクが低く、アフターサービス補修に対する資金力もありますが、今は修繕工事に対して管理組合自ら保証をつけることもできるので、それほどのインパクトはありません。

大切なことは、自ら主導権を握り、複数の発注方法や業者の中から選択する、ということです。その結果、管理会社に任せることが最良と判断するならば問題はありません。修繕積立金を賢く使い、資産価値を上げるというゴールは、自分たちの手で死守しましょう!

 

マンション管理組合の学校、授業の監督と撮影を担当する風呂澤(ふろさわ)です。個性あふれる授業を、余すことなく、最高の撮影技術(自称)でお伝えします。

2 thoughts to “【マンション管理組合の教科書】マンション大規模修繕工事、失敗しないために”

  1.  いろんなものには、適正利益が必要です。 マンション管理や大規模修繕工事でも変わりません。
     ところが、時代や経済状況により、赤字受注が常態化すると、どこかで利益を削らないといけなくなります。 一方、過剰利益や、裏金が常態化すると、適正利益以上の利益が当たり前になります。
     マンション管理では、管理組合の持つ情報量はごくわずかで、管理会社の持つ情報量は圧倒的です。
     ここで起きるのは、管理組合のあきらめと、管理会社(もしくはフロント個人)の過剰利益(裏金も含む)です。
     管理会社受注でも、適正利益で完璧に業務を実行すれば、何も言うことはありません。
     親会社からの受注が減っても、管理委託料が減っても、業務改善等を行い経費節約すれば、管理会社の経営は成り立ちます。
     IT化やAI化が、管理会社では著しく遅れています。
     そのため、省力化が遅れていて、一部の管理会社には、管理戸数を取りすぎたため、人員不足に陥り、管理会社の都合だけで、管理物件の放棄まで行われています。
     管理組合も保守的なところがあり、今までの人員が必要と思っているところがあります。
     人件費の節減なしに、会社経営が成り立つはずもなく、少子高齢化社会に向かい、省力化はますます重要です。

     

    1. 器用人さん
      いつもコメントありがとうございます。おっしゃる通りです。未来に向けて進んでいくしかありません。

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