【切っても切れないマンションと保険の話し その3】地震に対する備えは万全?

マンションと保険の話_マンション管理組合の学校

みなさんこんにちは!
未曽有の被害をもたらした東日本大 震災から約6年半。今も毎日のように各地で地震が頻繁に起こっています。国が発表している今後30年以内に震度6以上の地震が起こる確率は、高いところでは80%以上とも言われています。
今回は、東日本大震災での経験をもとに、地震による被害と保険についてご紹介します。
みなさんのマンションでは、恐らくほとんどの方が火災保険に加入していると思いますが、地震保険は加入されていますか?

 

え?地震保険って何?火災保険で補償されないの?
・・とよく私も聞かれますが、火災保険では地震による損害は補償されません
別途地震保険という保険に加入する必要があります。
地震保険は、必ず火災保険とセットでしか加入できず、また、保険金額(補償金額)は火災保険の30%~50%の範囲内でしか設定することができません。
損害の認定も被害状況により、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分で、最大でも火災保険の50%までしか補償されない保険です。

 

うちのマンションはコンクリートだから地震が起こっても大丈夫!・・・と考えている方も少なくないと思います。
確かに、マンションの場合は木造の戸建住宅と比べると、一般的には地震リスクは低いとされています。統計的に見ても、マンションにおける地震保険の加入率は戸建住宅よりも 低い状況にあります。

 

しかし・・・
東日本大震災ではほとんどのマンションが何らかの被害を被っています。
これは実際に東日本大震災で被害を 受けたマンションの一例です。

 

≪仙台市にある築38年の13階建 マンション≫
1階において柱29本にひび割れ、一部の柱で部分的なコンクリートの潰れが発生

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このケースでは、全壊は免れました が所々に大きなひび割れが発生しています。地震保険に加入していたため、保険会社から「半損」の認定がされ1億1千万円の保険金を受取りました。
大きな被害を受けた場合、地震保険だけでは賄えない時もありますが、それでも負担を軽減することはできます。
上記の例では、もし地震保険に加入していなかった場合、修理費は管理費や修繕積立金から支出しなければなりません。マンションにおいて地震保険に加入するかどうかは、専有部分の場合は入居者の判断で決定できますが、共用部分においては総会等での決議が必要になります。
当然掛け金も高くなります。

 

地震保険に加入せずそのお金を貯蓄しておく、もしくは実際に被害に遭った場合は管理費や修繕積立金から支出するというのも一つの方法です。

 

選択肢は色々あるかと思いますが、 ここで大切なことは・・・
地震等の災害が起こった場合の備えについて、「管理組合で話し合いが十分されているかどうか?」だと思います。東日本大震災においても、住民間で話し合いをしておらず地震保険にも加入していなかったため、今現在も修理ができないといったケースは多々あります。
有事に備え、みなさまのマンションでも一度話し合いの場を設けてみてはいかがでしょうか?

 

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