【マンション管理組合の教科書】マンション理事長の代行についてインタビュー、いきなりモンスター住人(2)

A管理組合から管理者(プロ理事長)を受託してから程なくして…は前回コラムをお読みください。

 

 

前回のインタビューは問題区分所有者『B氏』の登場を予感させる最後でしたが、深山さん、続きをお願いします。

成り行き上、管理者のほか、大規模修繕工事の工事監理を別途引き受けて、本工事がスタートしました。当社の工事監理者が現場に入り、施工業者へあれこれと指示して、工事が進みます。

すると、工事監理者と担当のマンション管理士から「ヤバい人がいて工事が進まない」と相談があり、詳しく聞いてみると、あの『B氏』でした。

後から聞いた話で「ヤクザのような人」「とにかく周囲に恫喝する」「理事会に殴り込んでくる」と、理事や区分所有者、管理会社といった関係者を恐怖に陥れ、疲労困憊にさせて自分の希望を無理やり受け入れさせるような方でした。

 

これは、厳しいですね…。

そうなんです。で、なぜ大規模修繕工事が進まなくなったかと言うと、本工事に含まれていた「玄関ドアの一斉交換」に対して「自分の部屋の玄関ドアは以前に自分で交換したから、今回はやらなくていい。だからその分現金でもらいたい」という要求を、連日現場事務所に来て現場代理人に要求したり当社工事監理者へ絡んできたのです。

現場の職人や現場代理人、工事監理者の作業を妨害し、担当マンション管理士にも脅迫めいた発言が頻繁に来るようになり、管理士も彼の対応に恐怖感を抱くようになってしまいました。

そこで、この玄関ドアの件や過去の背景など、整理してからB氏に当たろうと思い、そもそも今回の大規模修繕工事の設計監理者として入っていたC社の社長と会って、直接を話を伺うことにしました。

Ⅽ社長に会って話を聞くと、

  • B氏は相当ヤバい人だ
  • 理事会はB氏にかなりプレッシャーを掛けられていた
  • うまく調整しながら、あまり関わらないほうが良い
  • C社も社長自ら対応していたが本当に困っていた

と、確信的な話が聞けないまま、最後に「後は深山さんに任せた」と言われ、結局「B氏はヤバい人」ということだけが印象付けられただけで終了しました。

 

実際はどのような方だったんですか?

なんの手がかりも得られないまま、B氏から工事監理者や担当マンション管理士に「代表を出せ」と要求していたので、僕の方で電話対応することになりました。その時のやり取りを再現してみます。

『どうも、あなたが代表ですか』
「はい、代表の深山です」
『AマンションのBですが、玄関ドアの件、聞いてます?』
「はい、先ほど聞きました。」
『で、現金でいただける感じですか?』
「んー、ちょっと難しいですね」
『なんで?』
「そもそも、玄関ドアは統一性を保つために全戸一斉交換するもので、すでに全戸分のドアを発注しています。」
『そんなの聞いてないんだけど(怒)』
「過去の工事説明会や総会とかで聞かなかったのですか?」
『あのさ、おまえのそんな話を聞くために電話したんじゃないんだけど(怒×2)』
「はぁ」
『「はぁ」じゃねえんだよてめぇ、あ?舐めてんの?(怒×5)』

なるほど~、これは普通の人はビビってしまう系の恫喝だな、と思いました。
昔テレビで見た、高利貸しから金を借りてしまい、返済が滞るとちょっとよろしくない感じの人が電話や家に押しかけて恫喝される、あれ系じゃないかと。僕も全くビビらないわけじゃないけど、それ以上に「これは色々と試すチャンス」と好奇心が上回ってしまいました。

僕はB氏に対して「押したり引いたり、弱く見せたり強く見せたり、多く喋ってみたり黙ってみたり、感情的に見せたり論理的に見せたり、真剣に受け止めてみたりおちょくってみたり」つまり、色々と試してみることにしました。
「お客様は神様」って言うけれど、こういうお客様には色々と実験してもバチはあたらないのではないか?と。

これは興味深い対応ですね。B氏は?

そのような対応をしたときのB氏との会話です。

『あのさ、おまえのそんな話を聞くために電話したんじゃないんだけど(怒×2)』
「はぁ」
『「はぁ」じゃねえんだよてめぇ、あ?舐めてんの?(怒×5)』
「はぁ」
『「はぁ」って、舐めてんなお前!(怒×5)深山さぁ、お前●●や●●(←当社へ来て管理者を依頼した元理事の方々)から、俺のこと聞いてないの?』
「Bさんの名前だけは聞きましたが詳しくは」
『んじゃ教えてやるよ。ちょっと詳しいことは言えねえけど、色々と商売しててさ、いろんな手を使って調整とかやってんだよ。なるべく平和的にな』
「そうなんですか。へー」
『「へー」ってお前舐めてんだろ!(怒×5)●●達は俺が色々と文句言ったら怖くなってマンションから出ていったんだよ。深山、お前は●●達から貧乏くじ引かされてんだよ。』
「そうなんですか。知らなかったですね。僕は貧乏くじなんですね」
『そうだよ、お前、何も聞かされてないんだな。●●に騙されたんだよ。他に■■(以前の理事長らしい)も俺の言うこと聞かねえからガンガンやって、精神病院送りになったんだよ』
「そうなんですね」
『だから俺の言うことを聞いといたほうがいいだろ?で、ドアの分は現金払うんだよな?』
「んー過去の経緯を調べてから回答しますね」
『深山、お前わかってねぇな(怒×5)理事とかみんな逃げていねえんだよ、だからいいんだよそんなことは(怒×5)』
「管理組合から管理者の仕事を預かってますので、そうは行かないんですよ」
『お前いい加減にしろよ、なぁ、舐めてんのか(怒×7)□□(担当マンション管理士)はうちに来てるお前んとこの社員だろ?あいつもやっちゃうぞてめぇ(怒×10)』
「いえ、舐めていません。ちなみに『やっちゃう』ってどんな事するんですか?」
『おい、マジお前舐めてんな(怒×10)まったくわかってねぇんだな俺のこと(怒×10)お前、C社の社長知ってんだろ?』
「はい、昔お世話になりました」
『あいつも俺が怖くなってここ(Aマンション)から逃げたんだよ。まぁあいつはお前と違ってズル賢いから、俺に一本渡して「これで許して」って泣きついてきたから許してやったけどな』
「そうなんですか!で、一本ってなんですか」
『なにお前、一本も知らねえの?お前馬鹿かよ、良く社長とかやってられんなぁ。100だよ、ヒャク!』
「100って100万円ですか?」
『たりめーだろ!あいつも俺に100渡して俺の機嫌とってマンションから撤退したんだよ。あいつは話のわかる奴だったよ』
「知りませんでした。そうだったんだ~」
『「そうだったんだ~」じゃねえんだよ(怒×12)誰に口きいてんの?深山お前さ、客に対する口の聞き方もわかんねぇようだな。で、C社の社長と同じように一本くらい位考えてるよな?』
「いや~A管理組合の修繕積立金からBさんにお金を払うことはできませんね、管理者として」
『馬鹿かお前!(怒×15)組合の金から持ってこいって誰が言ったんだよ、お前本当に頭悪いな(笑)』
「はぁ、頭悪いですかね」
『うん、お前アホ、アホ社長だよ。うん、もう俺お前と電話で話すの疲れたし次の用事で忙しいから、ちゃんと用意しておけよ』
「わかりました、検討しますね。次の用事って忙しそうですね」
『この後マカオに行くんだよ、マカオってしってる?』
「カジノのあるところですね」
『カジノは表の世界だろ?裏の世界だよ、色んな仕事してんだよ。お前今度マカオ行くか!連れてってやるよ』
「僕は忙しいし興味ないんでいいです」
『お前本当に舐めてんだろ(怒×15)俺のことおちょくってんな。よしわかった。お前に俺の仕事を見してやるよ。今からお前の事務所に行くから、ちょっと待ってろよ(怒×20)』
「いえいえいきなり来られたら怖いんで~止めてくださいよ~それにこれからマカオへ行くんですよね」
『マジお前舐めてんな、おい深山!(怒×25)事務所渋谷だろ!住所わかってんだぞ、30分後に行くからな待ってろよ!わかったな!(怒×50)』

ココでガチャッと電話が切れます。

多分来ないだろうと思いつつ、万が一来られても困るので、鍵は閉めていましたが、とうとうB氏はオフィスに来ませんでした。当社へ寄らず「嘘のマカオ」に行ったのでしょう。

確かに、こんな人から恫喝まがいの対応をされたら、逃げたくなるわな。

そして3日後にB氏から再度電話が…。

(その3へつづく)

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