【切っても切れないマンションと保険の話し】マンション敷地内の違法駐車

皆さんは、マンション内で発生するトラブルとして最も多いのは、どんなトラブルなのかご存知でしょうか?

その答えは、違法駐車、違法駐輪です。

駐車場や駐輪場、マンション敷地内や、その周辺における「違法駐車や違法駐輪」には、管理組合として、どんな対策をしたら良いのかお話しをします。

マンションのトラブルで最も多い違法駐車

国土交通省は「マンション総合調査」の中で、居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容について、居住者の意識調査を行っています。

数年に1回実施するこの調査によれば、平成11年度、平成15年度、平成20年度、平成25年度までの過去4回のうち、3回の調査において、トラブルのトップになっているのが、「違法駐車、違法駐輪」だそうです。平成25年度の調査結果では、1位「違法駐車、違法駐輪」40.1%、2位「生活音」が34.3%、3位「ペット飼育」が22.7%となっています。

昨今では、若者の車ばなれもあり、車に乗る人の数が年々減少しています。もちろん高齢化による車ばなれもあります。その結果、マンションの駐車場に空きが出て、機械式駐車場の維持管理費用が赤字になり管理組合収益が悪化するなどの諸問題が起こってきました。

個人的には、どちらかというと駐車スペースは余っているので、(違法駐車をしてまで)車をとめるスペースが無いという考えはありませんでした。私の耳に入ってくるのは、近隣住戸の騒音や、たばこや焼魚や肉他の臭い、ペットの飼育問題などが多かったことも影響しています。

_そこで、私なりに考えてみました。

騒音・臭い・ペット飼育のトラブルは「迷惑だと感じている人の感覚的な状態」であるのに対し、違法駐車や無断駐車は「目の前で発生している事実問題」です。つまり、「感覚」トラブルと「事実」トラブルの違いが、「明確な問題」として浮き彫りになっているのではないでしょうか。

例えば、騒音の場合は「うるさい」と感じる人、感じない人がいます。

実際に騒音の苦情があった部屋を調べてみると、住人以外はうるさいとまでは感じないことがあります。工事現場で発生するような音なら別ですが、生活音(室内を歩く音や会話など)となると、果たしてこの生活音を騒音と判断すべきかは容易ではありません。

一方で「駐車禁止スペースに車が停めて」いれば「違法駐車」と判断できます。問題・トラブルとして取り上げやすい事象です。

しかも、「道路の邪魔・マンション敷地内の邪魔だ」と、とても目立つし、駐車されることで車路が狭くなり困る。こうなると、「具体的問題だ」「トラブルだ」と問題事案化しやすいのでしょうね。

 

 

管理の甘いマンション

違法駐車を放置しているとマンション居住者のモラル低下を招く危険性もあります。それにより、ますます違法駐車をする人が増えてくる可能性があるのです。

車の出し入れがしずらくなることで、車同士や子供、高齢者の事故が起こりやすくなり、「管理の甘いマンションだ」という認識が広まれば、車上荒らしや、住宅への侵入などの犯罪が起こりやすい環境が作られることにもなりかねなません。

駐輪場の場合も放置自転車などが集まってきてしまう危険性もあります。

こういった具体的な問題を早期対応しないで放置していると、管理費滞納、理事会の欠席、総会不参加、ゴミの不法投棄、ルール破りなど、マンション全体の規律がなくなり、様々なところにひずみが生じてしまいます。管理組合としては、何が何でも違法駐車・違法駐輪の対策を行う必要があります。

~次回は、その具体的対策方法についてお話しします~

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