管理会社の人が理事会の席で、
「居住者から、『車路のグレーチングがガタガタしてて、クルマが通るたびにガタンガタンって騒音がするからなんとかして欲しい』とクレームが来ていますが、どうしますか?実際に管理人に確認したところ、たしかにグレーチングがガタガタ言っているそうです。このグレーチングの近くの住戸の住民からすると、夜にクルマが帰ってくるたびにグレーチングを踏みつけるとかなり迷惑だと思います。」
グレーチング、、、何やねん!!!
実は私も最初、マンション管理業界に入るまでは、グレーチングが何のことか、全くわかりませんでした。
で、これです。
◯グレーチングとは、要は『排水路にかぶせる蓋』のことなんですね。
グレーチング(grating)とは、鋼材を格子状に組んだ溝蓋である。素材は鉄(亜鉛メッキ)、ステンレス、アルミニウム、FRP製などがある。(以下略)
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では、実際にマンションの敷地にグレーチングが敷設されている写真をどうぞ。
このグレーチング蓋の下には、排水路が通っています。
雨水で敷地を洪水させないように逃がすための排水路。これの蓋のことなんですね。
◯このグレーチング、結構重いんです。
素材は鉄(亜鉛メッキ)・ステンレス・アルミなどですし、マンションの車路はクルマが通行する時に踏みつけられるので、ガッチリしていないとすぐに壊れてしまいます。
お年を召した方や力の弱い女性の管理員や清掃員に
『落ち葉やタバコの吸殻が排水路(溝)に溜まっているから、グレーチング開けてちょっと掃除しておいて』
と気軽に言える重さではありません。腰が悪い方も一人で持ち上げないほうが良いです。
必ず手伝いましょう。
◯置くだけのものとボルトで留めるものがあります。
排水溝の上に置くだけ(かぶせるだけ)のグレーチングは、清掃の時は持ち上げてどかすだけなので楽なのですが、溝(排水枡)に固定されていないので、毎日のようにクルマに踏みつけられ続けることで、ガタガタしはじめやすくなります。
一方で、グレーチングと地面とをボルトで固定できるタイプのものは、地面にきっちり固定されているのでガタガタ劣化はしづらいものの、清掃する時に4面に留められたボルトを外さなければなりません。
※写真はモノタロウさんからお借りしています。
このボルトを外す工具が、新築時に分譲主(ゼネコンから管理会社に引き渡されるのですが、管理会社が管理員へちゃんと引き継ぎをしないと、管理員は「何のための工具か」が全くわからないために、どこかへしまいっぱなしのうちに紛失してしまうことがあります。
右下の穴にねじ切りがあって、ボルトに上から差し込んで、Tの字の横の棒を両手で持って回すことで、ボルトが緩み取ることができます。
◯このグレーチング、ホームセンターで売ってます!!!
写真はコーナンで撮影したものです。私がマンション管理組合のために別のモノ(段差プレート)を探しに行った時に、隣に売っていました。
段差プレートがあっただけでも嬉しいのに、まさかグレーチングが売っているとは!
感動を超えて感激したのを覚えています。
冷静に考えれば、工事業者が買いに来るのですね。
今ではネットでも普通に売っています。サイズさえ間違わなければマンションまで届けてくれるので便利ですね。
この「マンション管理組合の学校」発起人の一人で、マンション管理士(メルすみごこち事務所)とマンション管理会社(クローバーコミュニティ)の代表。まわりが勝手に「すごい人」と誤解しているが、実はマンション管理や修繕の専門知識は高くない。とにかく仕事もプライベートも理事会も「楽しく」「新しい」ことを考えていないとアタマが腐ってしまうので、取り扱い注意。『怪しい経歴書』はあまりに文が長すぎて誰も見る人がいないとか。