今回は所属している、マンション管理士会地域部会の主催する相談会での相談事例について、気になった相談事例のリポートです。
マンションの玄関ドアガラスを傷つけたのは誰?
築26年の小規模マンションにお住いの方から相談がありました。「マンションの玄関ドアのガラスと枠を宅配業者が傷つけたが、管理会社の対応が遅いので何とかならないか?」との内容です。
玄関ドアのガラスと枠の修復はセキュリテイ確保や外観の問題もあるので、急いでしかるべきところをもう1か月以上も放置されており怒り心頭。本来は玄関ドアのガラスを傷つけた宅配業者の問題ではないかと思われるのに、むしろ管理会社の対応の遅さを意識されているようです。
管理組合の対応は?
管理員や管理会社のフロント担当に問題があるとの話ですが、今回の玄関ドアのガラスの修繕の手配がどこまで進んでいるのか、そもそも原因は何なのかもよくわかりません。
お話をうかがっていると、どうも問題は管理会社に依存しきっている管理組合にも問題がありそうだということが分かってきました。管理会社も真剣に対応していないのかもしれません。
理事長の出番
この場合、マンション管理組合の責任者である理事長に対し、「景観だけでなく防犯上の問題から考えても可及的速やかに対応願いたいので、いつ工事完了となるのか」を確認し、迅速な対応を丁寧にお願いしてみてください。相談者はかなり頭に血がのぼっているようなので、くれぐれも、「一体どうなっているんだ、怠慢ではないのか」というような攻撃的な口調でせめないようアドバイスをしました。
同じ考えの住人がきっといるはずです。1人の意見ではなく、複数の意見であることを示して理事長に話すことをお勧めします。「理事会そのものが管理会社に何から何まで頼っており」が事実ならば、その状況は全くもって好ましくありません。理事長に「安全な生活のための早急なる改善」を認識いただくためにも、相談者自らが行動し、問題の本質を捉えましょう。
メル夫の気づき
以前、メル夫のマンションのエントランスにあるステンレス製の扉が強風で倒壊し、保険金によって修復した時のことを思い出しました。
その時はマンションの損害保険で対応しましたが、保険会社から依頼を受けた調査会社の現場調査や建築時の工事業者の見積等等で2か月以上かかり、改修工事完了までにおよそ3か月を要しました。そもそも1か月では実際の手続きが進んでいないのかもしれません。
その経験も相談者に話すと溜飲が下がったようで安心しました。 (宅配業者のみなさま、お疲れさまでございます)
玄関等エントランスは、マンションの顔ですから、顔を潰されると反社では刃傷沙汰になります。
壊したのが誰かか分かれば、その人(会社)ですから、その人が修理費用を負担することになります。
共用部の施設賠償保険をかけていると、その保険になりますから、保険査定員の判断になります。
話は少し変わりますが、保険は、モラルハザードしています。
各社の保険は、十分検討し、必要最小限のものを管理組合でかけ、個人賠償に類するものは、個人負担が良いと思います。