【マンション管理組合の教科書】何かと大忙しな理事長を救う「シェア」

授業のポイント

  • 活発な管理組合活動の秘密は「シェア」
  • 理事の任期を2年、半数入れ替わり制に
  • 理事会にに組織をつくって、理事長の負担を軽減

 

 

授業を担当します、井水野アッコです。

千葉県にあるマンション管理組合の理事会活動が、テレビ東京の「ガイアの夜明け」で放送されました。そのマンションは「ブラウシアマンション」といって、資産価値を守り高めるための活動が活発な全国屈指のマンションです。

「ガイアの夜明け」では、改修工事を済ませたバーベキューエリアで住人が友人を招いて楽しそうに乾杯する姿や、植栽の改修の際に楽しそうに苗を植える子供たちの姿が印象に残りました。夏祭りや落語イベントなどのコミュニティ活動は多くの参加者であふれ、他のマンションには類を見ない盛り上がりをみせています。

驚くべきは、周囲のマンションの資産価値が徐々に下がってしまう中で、積極的な管理組合活動が評価されることで資産価値が反対に上がっていることです。番組の中では、管理組合活動の仲間入りがしたくマンション購入を決めた若い夫婦がインタビューを受けていました。活発な管理組合活動が決め手となってマンション購入を決めるというケースは、全国的にも珍しいと思います。

それでは、ブラウシアマンションは1期目から、活発な管理組合活動をしていたのかというと、実はそうではありません。そこにはちょっとした秘密があるのです。その秘密は、管理組合活動がうまくいってる他のマンションとも共通しているので、あなたのマンションでも成功の一因となるはずです。

さて、その秘密とは、ずばり「シェア」。理事長の仕事を減らし、他の理事へ振り分けることで、負担をシェアしているのです。

多くの理事会では、理事長にすべての負担がかかっているといっても過言ではありません。特に大型マンションでは大きな予算が動き、将来に向けた修繕工事事案も増え、住人間のトラブルも多発することから、多くの課題を抱えることになります。しかしながら、どんなに大きな規模の理事会でも理事長はたったひとりしかいません。

法律的にも、基本的に理事長に全責任と多くの権限が集中する仕組みになっているため、管理会社は何でもかんでも理事長に報告して判断を求めてきます。そのため、理事が20人もいるような大きな理事会でも、「理事長しかそのことを把握していない」ということがよくあるのです。理事長以外の理事に情報が入らなければ、ただでさえ関心が薄く、そもそも面倒くさいと思っている理事が多いことから、ますますマンションに感心が無くなってしまいます。その結果、理事長と管理会社に丸投げしてしまい、さらに理事長への負担が増加してしまうのです。理事会という組織体でありながら組織として機能していないことに問題があるのですが、この点、管理組合運営がうまくいっているマンションは違います。

当初のブラウシアには強力なリーダーシップをもった理事がいない代わりに、理事同士でワイガヤと会話ができるような雰囲気がありました。上手に火が付けば横のつながりが発展しやすいケースの管理組合です。マンション管理士を採用し、当時の管理会社を変更し、自分たちの手でイベントを工夫して実施していく中で、「皆で力を合わせば達成できる」という成功体験を積むことができました。この経験が理事同士の絆を深めます。

しかしながら、当時の管理規約には「理事の任期1年、全員入れ替わり」というルールがあり、せっかく理事会が積み上げてきた実績や絆が途切れるリスクがありました。そこで、理事の任期を2年、毎年の総会で半数ずつ入れ替わるルールに変えました。

成功体験を積み上げた理事の中で、積極的に2年目を引き受けてくれる理事がいて助かりました。さらに、ノウハウを伝える役割として、退任した理事がオブザーバーとして気軽に理事会活動に参加できるルールをつくったことで、新理事を強力にサポートする仕組みができました。

「仕事をもっと分担することができれば、効率的に管理組合運営ができる」、次に、理事の皆さんが考えたことが組織作りです。

そこで、①理事会運営全般②マナーや広報③イベントなどのコミュニティ醸成、という役割の異なるワーキンググループをつくり、1年目と2年目の理事を上手に配置しました。この結果、理事長だけに責任や仕事が集中することなく、それぞれのグループでの取り組みが活性化し、全体としてさらなる発展を遂げることができたのです。会社組織に例えると考えづらいですが、最初に仲間ができ、後から組織という仕組みができた、というのがブラウシアの強固な組織力のプロセスといえそうです。美しさには秘密があるのですね。

 

ブラウシアマンションhttps://blausea.jp/

 

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