【マンション管理のリスクをアライ出す、元理事アライのコラム】記録を残すー書類の保存3 理事会議事録(前編)

理事会の議事録は、総会議事録と同じくらい重要な会議の記録です。

多くの管理組合では、管理会社が理事会の議事録を作成していると思うのですが、うちではどういうわけか、理事が理事会の議事録を作成しています。うちの管理規約では会計理事と並んで書記理事が定義されていて、理事会議事録の作成は書記理事が担当しています。

管理会社が理事会議事録を作成すると自社に都合のよいように書く、という話も聞くので、理事が議事録を作成するのはいいと思うのですが、問題はありました。

担当が書きっぱなしの議事録

記録すべきことが書かれていない、事実と異なることが書かれている、意味が通じない、など、会議の記録としては看過できない状態でした。
問題の原因は議事録の作成フローにあったと思います。

書記理事が書いて印刷して配るだけ。総会議事録のように他の理事が署名・捺印することもありません。事前にドラフトが回ってこないので、事実と異なることがあっても指摘するタイミングがない。私は規約改正や会計を担当していたこともあり、理事会ではそれなりに発言しました。不正確だったり事実と異なることが書かれていたり、記録すべきことが書かれていないのは非常にまずい。

さらに議事録の配付が激遅。前回理事会の議事録は、次回理事会終了時に配られます。たとえば第2回理事会の議事録は第3回理事会が終了するときです。

私は議事録を受け取ったあと相違点をメールで連絡しましたが、それでも修正はなかなか上がってきません。それに、理事会では同じ議題を数回に渡って議論することがありますが、第3回理事会終了後に、第2回の議事録の内容を見ていると、この話は第2回に話したっけ?いや、第3回だったかも、などと混乱することもしばしば。

ストレスMAXで議事録作成フローの見直しをお願いしました。

「お仕事お忙しいのは承知してますが、理事会が終了したらなる早で、1週間とか10日くらいで議事録案を作成し、まずはメールで流してくれませんか?時間が経つと理事会でのいろいろを忘れちゃうんで。」

こんなことを理事会でお願いしたらお断りがなかったので議事録案が送られるのを待ちましたが、結局、議事録は従来どおり次回理事会の終了時に配付。この議事録に対する修正依頼のメールで再度お願いしてみたけどスルー。相手が管理会社ならば「仕事なんだから」とも言えますが、理事が相手だとそういうわけにも行きません。遣りづらい。

ほかのマンションのように管理会社に依頼する手もありましたが、総会議事録案作成でも問題ありありでとても任せられません。私は、自分が書記理事になって理事会議事録を書こうと考え、会計理事を2期務めたあと、総会後の理事の役職決めのときに書記理事に手を挙げました。

前任の書記理事は私のフロー見直し案や度重なる修正依頼に嫌気がさしていたかもしれません。諸手を挙げて賛同してくれました。

 

 

 

理事会議事録の変遷

話が前後しますが、ここでうちのマンションの理事会議事録の変遷について少し触れておきます。

総会議事録の所在を調べているときに、並行して理事会議事録の所在も調べていたのですが、ある時期より前の議事録がごっそりありません。このことを理事会で報告したら監事がおっしゃった。

「前は議事録なんか作ってなかったよ。大規模修繕のときでも議事録は作ってない。ただ、大きな決定事項、たとえば最近ならインターホンのリニューアル工事を決定したときの議事録は必要だと思うけどね。」

この監事さん、マンションが建ってしばらくしてから役員に就任して以降、ほとんどの期で役員を務めておられます。しかもほぼ監事。元々はいわゆる地権者で、近隣のことや理事会のことを誰よりも知っている生き字引のような人、発言には一定の影響力があります。

昔は理事会も開いていなかったそうで、総会のあとにそのまま話をする程度。
なるほどねー。このマンションで記録をさほど重要視していないのは、この辺の事情も関係してそうだ。

理事会の記録が残されるようになったのは、ある人が書記理事に就任したことによります。その理事が自発的に広報活動を始め、主に理事会で議論している内容について広報誌を作って組合員に配付しました。

その理事が専有部分を売却してマンションを去り、次に就任したのが私の前任者。前任者は初代の作った広報誌は議事録ではない、理事会議事録は配付しないという方針を決め、前述のような形になりました。
私は記録を残す書記理事としては3代目にあたります。

(後編につづく)

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