【マンション管理用語集(く)】クラックは建物にも人間関係にもイタイ
理事会に出ていると、時折フロント担当者から出てくるのが
「外壁にクラックがでていました」みたいなコメントですね。
また、大規模修繕工事の調査など準備段階でも、設計事務所から「外壁だけでなく、バルコニーや廊下の壁にも結構クラックが入っていました」みたいな報告が良くあります。
クラックはひび割れ(和訳では裂け目とかもあり)ですね。
クラックは地震との関連が非常に高いです。
首都圏や東北地方ですと「東日本大震災」、関西ですと「阪神淡路大震災」のときには、震災地域の殆どのマンションで、このクラックが発生しました。その頃に理事会役員だった方には馴染みの用語だったのではないでしょうか。
ネット検索キーワードに「マンション管理版」があれば、震災後しばらくはトップキーワードにランキングされるくらい、地震と連動して発生してしまうのもクラックなんですね。
ここで、「マンション管理組合の学校」でちょいちょいコラムを書いてくれている、Takayan先生(新築・修繕のスペシャリスト)の解説でございます。
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信号がちょうど青色から黄色に変わったシグナルだよ!
赤信号になる前に、応急処置だね。
でも青信号のときにぜひ修繕計画を!
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もうちょっとマニアックに解説して!
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構造躯体上重要な部分にできたクラックが発生したら、待ったなしの修繕が必要と判断したほうが良いです。
処方箋としては、粘性の強いエポキシ樹脂での補修を提案しました。
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Takayanさん、ありがとうございました!
よく、マンションを新築して間もないころに「ウチの自宅のベランダ(バルコニー)の壁にヒビが入ってます、一度見てもらえませんか?まだ住みはじめたばかりなのに欠陥商品なのではないかと心配で、、、」と管理組合に相談してこられる方、います。
それは、上述のクラックスケールを当てると「ヘアークラック」(髪の毛ほどの細いひび)だったりします。見た目は気になりますが、これは新築時に施工したときの表面(仕上げモルタル)が伸縮してどうしても発生してしまうもので、壁全体にヒビが入るような「瑕疵だ!欠陥だ!」とは全然違います。あわてないでくださいね。
なお、建物のクラックは早めに対処すれば問題になりませんが、理事会で揉めた人間関係のクラックはなかなか修復できないかもしれませんので要注意です。人間関係のクラック補修は自分たちで修復するか、仲裁能力あるマンション管理士か管理会社フロントマンに補修してもらうほうが良いですね。
いやいや、クラックでなくて思いっきり亀裂くらいに揉めて、後でスッキリ完全和解するくらいが良いかもしれませんよ。雨降って地固まる。(建物クラックは早期対応ですよ!)
この「マンション管理組合の学校」発起人の一人で、マンション管理士(メルすみごこち事務所)とマンション管理会社(クローバーコミュニティ)の代表。まわりが勝手に「すごい人」と誤解しているが、実はマンション管理や修繕の専門知識は高くない。とにかく仕事もプライベートも理事会も「楽しく」「新しい」ことを考えていないとアタマが腐ってしまうので、取り扱い注意。『怪しい経歴書』はあまりに文が長すぎて誰も見る人がいないとか。