都市の未来を展望する大型サミット「NIKKEI Real Estate Summit」
(日時:2021年2月19日(金))
いくつかのプログラムをオンライン視聴しましたが、その中からマンション管理に関係する講演を2つほど、私の見解交えて報告します。
■テーマ:「マンション問題」の処方箋~顕在化する社会課題に向き合う
◯建替えで実現する持続的な住まい
旭化成不動産レジデンス マンション建替え研究所 副所長大木 祐悟氏
「建替えはメリットが出ないから、できるだけ長く上手に住んでサヨナラ(解体⇒更地に)」という世間の(?)雰囲気に反して、
『SDGs実現への貢献可能性』というまだ確定していないメリットまで持ち出して建替えの魅力を訴える内容でした。
「マンション管理研究所」という名称を付けるぐらいなので、当然といえば当然です。
「研究所」という名称が気になったので公式サイトを覗いたところ、普通に旭化成の事業部門で、
「建替え実績37件」「建替え実績ナンバー1」となっていました。
https://www.afr-web.co.jp/tatekae-lab/example/index.html/#examples
これまでの総建替え件数は令和2年の4月1日時点で254件と、記憶していたよりは少し増えていますが、
成長は極めて緩やかで、全国でも年間10件あるかないかの小さな市場です。
※国土交通省HPより
https://www.mlit.go.jp/common/001351559.pdf
「マンション建替え事業」をサービスに掲げている企業で実績を拾えたところは以下のとおりです。
・旭化成 ・・・37件
・長谷工 ・・・35件
・東急不動産 ・・・8件
・伊藤忠都市開発 ・・・6件
・㈱シティコンサルタンツ・・・6件
・ダイワハウス工業・・・5件
・東京建物 ・・・5件
大手企業がこれだけ参入して、少ないなりにも実績が積みあがってきているので、
条件のいいマンションに限りますが、今後もある程度の市場拡大は見込めるでしょう。
話がかなり逸れましたが、講演の内容で個人的に気になったのが、
「隣接するマンションと共同で建替え」についてです。
講演では建物名の紹介はありませんでしたが、ネットで調べると
「プラウドタワー白金台」だということがわかりました
(以下、ライフルホームズのサイトに掲載された回顧記事です)
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00232/
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00238/
この物件は建物名からわかるとおり、野村不動産がコーディネートを行っていますが
隣接のまだ築25年だったマンションの合意まで取り付ける提案力・交渉力はさすがですね。
私のマンションの隣に、干支が一回り古いマンションが建っています。
だいぶん先のことではありますが、隣の建物が建替えを行う際は是非、
共同建替えの可能性も検討してほしい思います。
そのためにも、まずはちょっとした交流から始めなくては、ですね!
マンション管理士。世田谷区在住の実は関西人。自ら居住するマンションの理事長を歴任し「住民・理事の目線」を持ちつつ、某大手インフラ系企業の経営企画室で鍛えられた情報収集力・整理力・課題発見力を活かし、現在は株式会社メルすみごこち事務所の経営アドバイザーを兼務している。