■自宅避難は”3つの条件”水害時の行動は?
日テレNEWS24 2021年5月19日
https://www.news24.jp/articles/2021/05/19/07874866.html
荒川や江戸川が氾濫した場合、かなりの広範囲にわたって水没する危険性がある、ということは知っていましたが、マンション内の垂直避難を検討しなければならないレベル、とまでは想像していませんでした。
垂直避難といっても、吹きすさぶ暴風雨を凌げるような共用部分(ラウンジや内廊下?)が上階にあるマンションはかなり限られているので、記事中にあるように、各専用部分内での受け入れということになるんだと思いますが、お住まいの方の意向を確認しオペレーションを検討するのは非常に骨が折れますね。
居住者の属性に合わせてある程度の事前マッチングが必要ですし、当日の受け入れが困難な場合の次善策の検討も必要です。
それでもこのマンションのように、4階以上に8フロアもあるような場合はなんとか全世帯どこかに収まりそうですが、そうでない場合はさらなる工夫が必要になりそうです。
上階の協力を得るためにはセキュリティ面での不安解消が必要になりますが、これに対しては各居室への電子錠設置という方法が考えられます。
電子錠自体は、いいものがリーズナブルにありますし、管理組合が費用を補助できると、よりスムーズです。
垂直避難による一番の問題は実はトイレではないでしょうか?
洪水で浸水するような状況下では、浸水していないフロアにも下水逆流による被害が及ぶ恐れがあるので、トイレが使えなくなります。
その状況で他人と携帯用トイレを共用するというのは、かなり抵抗を感じます。
だからといって、そこを簡単に「無理」とあきらめるのではなく、「どこをどう工夫すれば受け入れられるか」を戸別によく考えてもらい、
根気強く取りまとめていってほしいですね。
マンション管理士。世田谷区在住の実は関西人。自ら居住するマンションの理事長を歴任し「住民・理事の目線」を持ちつつ、某大手インフラ系企業の経営企画室で鍛えられた情報収集力・整理力・課題発見力を活かし、現在は株式会社メルすみごこち事務所の経営アドバイザーを兼務している。