【深山州のゆる~いマンション管理コラム17】Q&A:理事長あての投書・郵送物は誰が最初に見る?

【深山州のゆる~いマンション管理コラム17】Q&A:理事長あての投書・郵送物は誰が最初に見る?

大阪府河内地方、築10年、60戸のマンション理事長からのご相談です~

Q:お聞きしたいのですが、居住者からの投書や相談は、最初に管理会社が受けるものですか?管理人が受け取るべきですか?管理組合は後で知るのが普通でしょうか?(F理事長より)

A:次のいずれかのパターンからマンションに適した形を選ぶと良いかな

理屈から言えば、居住者からのお問い合わせをどう受けるかは、整理すると次の3パターンがあるかな~。

  1. 管理会社に対するものは管理会社(管理員)へ、管理組合に対するものは理事会(理事長)へ
  2. 管理会社に対するものも、管理組合に対するものも、管理会社へ
  3. 管理会社に対するものも、管理組合に対するものも、理事会(理事長)へ

1.は、例えば「管理会社への相談や苦情などは、管理員へ直接話すか、管理事務室のポストへ投書するか、フロント担当者へ直接連絡する。」「管理組合への相談や苦情などは、管理組合のポストへ投書するか、理事長へ連絡する。(なかなか理事長個人の連絡先を教えたい人はいませんけどね)」

管理会社に依存しすぎず、主体的な管理組合でしたら、1.が通常のあり方ですよね。自分の家のポストは自分で開けますし、届いた郵便物は自分で開封するのと同じですから。

2.は、理事会(理事長)や理事が忙しく、初動はすべて管理会社にやって欲しいという要望があり、かつ管理組合と管理会社との間に信頼関係がある場合に、管理組合に対する投書も合わせて管理会社が一次受けする事が考えられます。
この場合、管理組合のポストのダイヤル番号を管理会社(管理員)が解錠して、中身をチェックすることになります。
会社の社長あてに届いた郵便物を秘書やスタッフが代わりに開封して報告してくれる、というイメージでしょうか。

この場合、管理会社は「居住者からの要望や苦情」の投書に対する「回答案・対策案」もセットにして、管理組合(理事会)へ報告するのが理想ですよね。
フロント担当者から「こんな投書が入ってました~」の報告だけでは「オタクはプロでしょう?ただのメッセンジャーボーイに金は払っとらん!」って僕なら言うかな。

管理組合あての投書や郵送物を管理会社が確認するリスクとは

なお、居住者からの投書の中には、管理会社に対する不満の声もあるかもしれませんし、管理組合のポストへ他の管理会社から「管理会社をリプレイスしませんか?」といった管理会社に都合の悪い営業DMが入ってくるかもしれません。
また、工事業者や設計事務所・NPO法人などから「修繕工事のご用命は当社へ!」「大規模修繕工事のセミナーやります!」といった営業DMが入ってくると、修繕で管理組合から利益をあげようとする管理会社の視点にたてば、競合の情報を管理組合へ提供するのは避けたいと思うでしょうね。

こういった「管理会社にとって都合の良くない投書やDM」は、管理組合(理事会)まで上がってこない可能性があります。ここは管理会社(管理員)を信じきれるか、がすべてです。

また、一次受けする管理会社のスピードが遅くて理事会まで上がってくるのに時間がかかる(=投書を出した居住者からクレームになる)可能性も考えられます。小規模なマンションで管理員がいないところの場合、清掃員にポストの中身をチェックさせることは、ほとんどの管理会社ではやっていませんので、フロント担当者が巡回時にチェックするようなスピード感になるでしょう。

最後に3.は、管理会社宛の投書や郵便物までチェックするのはやり過ぎですよね。管理組合と管理会社との間に信頼関係が破綻していて、理事長が「管理会社あての資料も全部理事長がチェックする!」という状態にまでなったら、もう管理会社を変更するか、理事長がマズイ方でしたら理事長を交代するほうが良いかも。

理事会で話し合って、流れを作り、住民に周知しましょう


とはいえ、居住者のほとんどは、自分がしたい相談が「管理組合(理事長)と管理会社のどちらへ言えば良いか」を正確に捉えてないと思います。
また、そもそも小規模なマンションでは、集合ポストに「管理事務室」の受け口しかないところも結構ありますしね。
なんとなく管理人へ直接相談するか、管理会社へ電話するか、が現実だと思います。

ですので、まずは理事会と管理会社とで、上記の1か2のどちらで運用するかを再確認して、管理会社としっかり流れを作り、居住者へ周知すると良いですね。「管理組合への要望は、管理組合ポストへ投函するか、封をした書面を管理員へお渡しください」など。

メールやSNSで意見を受け付けるのがこれからの姿

私がコンサルしているマンションや管理会社として支援している一部の管理組合では、「お問い合わせを受け付ける専用メールアドレス」を設けたり、管理組合のSNS(いまはLINEグループですね)を設けて、居住者からの声が手軽に出しやすく、回収しやすい環境を提案しています。

最近はQRコードが普及してきました。掲示板や広報紙にQRコードを貼り付けておき、それをスマホでかざすと指定したメールアドレスを宛先にしたメールが立ち上がる、、、といったやり方は、ググればいくらでも情報が出てきます。比較的簡単に作ることができますよ。紙の投書が他人に見られることもありません。
ネットを使って効率的にやれると良いですね。

ただしネット活用はアナログよりも、より継続性が鍵になります。今期理事会ではメールで受け付けたけど、来期の理事会は受信を放置してしまい、そして自然消滅へ、、、というマンションもいっぱいあります。

一番ダメなのは、いま自分たちのマンションがどんな理由で1か2を選択しているか、まったくわかっていないことです。そんな無関心で他人依存のマンションには「喝っ!」でございます。

あなたのマンション管理組合では、どうしていますか?

※無料テンプレート「住民からの意見の投書用紙」はこちら!

「【深山州のゆる~いマンション管理コラム17】Q&A:理事長あての投書・郵送物は誰が最初に見る?」への3件のフィードバック

  1.  本来なら、管理会社あての郵便物は管理組合でなく、管理会社へ送付されるべきものと考えます。
     例えば何らかの営業の窓口は、管理組合でなく管理会社へ行われるべきものだからです。
     従って、マンションに送られてきたものすべてが管理組合に関係するものだからです。
     理事長「親展」以外の物は、管理員が開封してよいものと思います。
     重要事項説明書には、管理員業務の受付等の業務の準用で対応するしてはいかがでしょうか?
     あとは理事会で、文書の取り扱いを決め、速やかに理事長又は初期担当理事に渡れば問題は起きないでしょう。 実際にどうされているかは、知りませんが。
     ネット利用については、機器や情報リテラシーがいるので、絶望的と考えています。 
     住民のレベルが違いすぎます。 内田洋行が良いと思われるシステムを開発しています・

  2. ネット利用→QRコードを使って、その先に飛ばす(電話番号やメールアドレスを表示したりWEBサイトへジャンプするなど)のは、実は簡単です。そのやり方・ノウハウも今後書いていこうかと思います。

  3.  ありがとうございます。
     マンション管理は、世間の常識からかけ離れた未開の世界です。
     IT化やAI化をすすめれば、フロントはおろか、管理員すらいらなくなります。
     清掃員だけは欠かせません。 自主管理でも清掃員業務は、外部委託していました。
     四国の管理会社では管理員のAI化を進めているようですし。広島の管理会社は時代に逆行し、フロントを増員しているようです。
     ISO認証の精神をすすめれば、管理会社の業務は大幅に経費節減できます。
     しかし、大手財閥系のお客様センターは専門知識もなく、ただ「フロントに伝えます」のみです。
     親会社の不動産会社も含め、子会社の反社的態度にはあきれています。 

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