【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第3回)

新人マンション管理士のメル夫です。只今メルすみごこち事務所で研修中ですが、今回は自分が所属している、マンション管理士会地域部会の主催する相談会での相談事例について、印象に残った案件のリポートです。

【管理会社によるビデオを設置は、プライバシー侵害ではないか】

築25年の中規模マンションにお住いの方から、マンション管理会社に対する苦情の相談です。「管理会社が自前でビデオカメラを設置し、受付に来た居住者が全て映され、プライバシーが侵害されている。」とのことでした。録画された映像は、管理会社が日常的に保管しているそうです。

このビデオカメラの設置については、設置当時の理事会で承認されており、また、その当時において「プライバシーの侵害」については議論されていません。そもそも、管理会社が「何の為に」ビデオカメラを設置したのでしょうか…。当時のことはわからないそうです。

相談会からのアドバイスとしては次の通りです。

『管理組合の窓口を訪れる全ての組合員がビデオ撮影され、その映像を後日管理会社側で勝手に再生されるのであれば、プライバシーの侵害につながる恐れがあります。そもそも設置目的がわからないということですが、「管理会社のサービスの品質向上のために録画するものです。」とのことであれば、プライバシーが侵害されないような設置場所の再検討、録画ビデオの管理・再生における運用基準を理事会にて再検討し、場合によっては撤去の申入れを理事会に提案してみてはいかがでしょうか。』

【防犯上の対策であれば…】

当時の設置目的が、「防犯のため」だった場合は、管理組合の費用で設置し直すべきです。
その場合は集会において普通決議で行うことができますが、プライバシーの問題があるので、設置についての事前アンケートなどを行うことも重要です。

録画の閲覧について問題が生じるため、規約や細則等により「閲覧が認められるケース」を限定します。「理事会の許可」を要件とするなど、運用が恣意的にならないように注意します。「犯罪被害があり、被害届が提出された場合」などに限定することもあるでしょう。

【メル夫の気づき】

近年、防犯カメラ・監視カメラの設置は、犯罪の抑止に寄与するとされ、繁華街や商店街、スーパーやコンビニの至るところにに設置され、殆どのマンションでも、エントランス、エレーベータ、駐車場等に設置されています。
これら防犯カメラの存在が、「プライバシー侵害」との意識はあまりないような気がします。目的と受忍限度を超えないとの観点からでしょうか。

今回の監視カメラの設置主が管理会社であった点に際し、管理室(受付)の設置もあったということですから、管理会社の目的はむしろ、管理員の日常勤務や対応状況の監視が目的だったのでは…と思います。それにしても、当時の設置目的がうやむやだっとしたら、組合員の間で、「プライバシーの侵害」の検討はなかったのか、少しだけ疑問です。

One thought to “【新人マンション管理士レポート】新人マンション管理士の相談会体験記(第3回)”

  1.  管理組合の建物に管理会社が勝手にカメラを設置するなど、聞いたことがありません。
     防犯カメラは、管理組合が設置するもので、便宜上、管理員室でモニターや録画を行うものです。
     個人情報保護法の実施もあり、管理組合内でも勝手に人に見せてはいけませんし、勝手に見てもいけません。
     当マンションでは防犯カメラ運用細則を定めており、それにより運用しています。
     エレベーター内のカメラは、エレベーター会社に繋がっており、非常停止時の故障状況の確認のために使っているようです。 エレベーター会社も簡単には見せてくれません。

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