【図面を取り戻せ!~大規模修繕後の戦い】31.理事会(2019年3月3日)(その2)

そして続いては、マンションの管理会社であり、工事の監査の契約主体であるS社への対応だ。
これについては、
「本当に申し訳ありませんでした。」
まずは担当のK青年が頭を下げた。
「お詫びというかたちで提案させて頂いていた管理費の減額なんですが、先日提示させていただいた額の倍額でいかがでしょう。それから、管理契約費用のうち、図面管理に関する業務費の返金をさせていただきたいと考えているのですが…。」

S社は以前から、「管理費の減額」というかたちでの補償内容を打診してきていた。
しかしこの提案は、管理契約の継続が前提である上に、金額の算出根拠も不明確なことから、妻たちは受けないことにしていたはずだ。その金額をいきなり倍増してきて、さらに業務費の返金まで申し出るとは、これは逆に、何かやましいことがあって、早めに収束させようとしているようにさえ感じられてしまう。

「せっかくのお申し出ですが、以前にお話ししたとおり、C技研との話し合いがまとまらない中でそのお話を受けてしまうことで、S社の責任を問えなくなるのは困りますので。」

妻たちも同様に判断したようで、申し出を丁重に断り、さらにK青年に尋ねる。
「それよりも、S建設との施工不良の話はどうなっているんでしょうか?」

S社の親会社でもあるS建設は、このマンションの建築を行った会社だ。
大規模修繕時のタイルの修理の多さから、マンションの施工当初の不良が疑われたことが、そもそもこの大規模修繕問題の発端だったのだが、「タイルの図面の未提出問題」に焦点が当たるようになって以来、この施工不良の問題は、半ば放置されてきた感がある。

「S建設は『タイルの図面』がないと、施工不良の検討ができないと言ってたんですが、『下地の補修図面』からの確認はムリかと、私どもから問い合わせているところです。これについては、S建設からの回答待ちです。」
「タイルの図面」がないと、施工不良の検討ができない。そしてその「タイルの図面」が提出されていないということで、この「図面未提出」問題全般、もしやS建設が裏で糸を引いているのかも…との疑惑も取りざたされているのだが、とりあえずは、S社・S建設とも、努力の姿勢を示そうとしているようだ。

「それから、『タイルの図面』以外の提出書類についてB建築設計に確認してみたんですが、問題はないとの回答でした。念のため、弊社の建築士も確認を行っています。」
「わかりました。ただ、B建築設計側のお話だけでは心もとないので、あたしたちと、あたしたちの指定する建築士さんの同席のもと、B建築設計の担当者に、再度確認をしていただきたいと思います。」
「わかりました。B建築設計と日程を調整して、改めて連絡いたします。」

(photo by photoAC)

この春まで、大阪市内のマンション(50戸)で管理組合の副理事長をしていました。昨年の理事の引き継ぎ直後に、その前年に行われた大規模修繕の竣工書類のうち、タイルの補修図面が提出されていなかったことが判明。施工会社に「ゴンドラを掛けての図面復元」を確約させるまでのやりとりや、その間に判明した様々な問題について、オットの目を借りてお伝えしたいと思います。

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