【図面を取り戻せ!~大規模修繕後の戦い】21.理事会(2月3日)

意見が入れられずに拗ねているK山理事長のことはほっておいて、妻たちはC技研抜きでの次回理事会の進行について、協議を続けていく。
「できるだけたくさんの人に参加していただきたいですね。掲示での告知だけでは心もとないので、草の根的に呼びかけていきましょう。」
今までに連絡が取れているメンバーに加え、エントランスホールで、エレベーター内で、妻はかたっぱしから住民に声をかけているようだ。

中には、「関わりたくない」との住民も、いたことはいた…らしい。しかし、声をかけた住民の多くが、興味を持って話を聞いてくれたそうだ。

「やっぱり自分たちの住まいのことやしね。それに大規模修繕のことは、『なんかおかしい…』って思ってた人が、潜在的にけっこういてはったみたい。」

そして理事会当日。
参加の人数について、妻たちは当日ぎりぎりまで気をもんでいた様子だったが、蓋を開けてみると、理事5名に加えて10名以上の参加、それに「どうしても出席できず、申し訳ない」旨の通知も数件。エントランスホールに並べられた椅子の数が足りず、管理会社のK青年が走り回っている。賃貸を除く実住戸数が40戸弱で、毎年の総会への参加者がわずか3~4名に留まることを考えれば、これはなかなかの人数ではないか?

「工程を確認したところ、工事の終盤までに十数日の遅れが出ています。契約書によると、工事の延滞については、返金されることになっているのですが、タイルの追加工事を入れたことで『C技研側の理由による遅延』が帳消しになってしまっています。また、この追加工事のせいで、予備費からの支出が発生することになりましたが、『タイルの図面』が提出されていないことから、この工事が適切に行われたのかも、工事の費用の算出方法もわからないままです。」
調査の結果明らかになった経緯と問題点を、妻はポイントを押さえて説明していく。 
「タイルの図面は『無いと困るもの』。また、契約書を確認したところ、『契約上、出していただく必要があるもの』なんです。」
出席の住民たちも、頷きながら聞き入っている。
「先日C技研の担当の方と連絡をとったところ、『K山理事長と、総タイルの5年保証で話がついている』とのことでしたが…」
C技研の見解について、妻が切り出した途端、
「その話は、」
と、K山理事長が、はじかれたように声を上げた。
「B建築設計の担当者と面談した際に持ち掛けられましたが、私はただ、持ち帰っただけです!」
「では、理事長の認識としても、『C技研との補償の話はまとまっていない』ということでよろしいですね。」
妻が確認する。
「当たり前です。私一人の権限でまとめられる話ではない。」
「もっと早くにお知らせいただいていれば、電話でのやり取りの際に、Wさんの認識を正せたのに、残念です。」
妻は、住民への説明を続ける。

「C技研とB建築設計が、どの時点で『図面が無いこと』に気が付いていたのかどうかも、まだわかっていません。もし単純なミスからのことであれば、問題の解決は、スムーズに進むと思いますが、例えば、『マンション建築当初の施工不良』や『大規模修繕での水増し請求』などを隠すために、わざと提出しなかったのだとしたら、長期化も予想されます。しかし理事会としては、T技研には『図面の提出』を求めていきたいと思っています。」

最終的に、出席者全員一致で「今後は一貫して『図面の提出』を求めていく」ことが決議された。もちろんK山理事長も含む全員だ。

「補償の話は、図面の提出はムリとの前提で賛成していたものですので。」
と、理事長は釈明する。
「提出してもらえるなら、もちろんそれに越したことはありません。」

(photo by photoAC)

この春まで、大阪市内のマンション(50戸)で管理組合の副理事長をしていました。昨年の理事の引き継ぎ直後に、その前年に行われた大規模修繕の竣工書類のうち、タイルの補修図面が提出されていなかったことが判明。施工会社に「ゴンドラを掛けての図面復元」を確約させるまでのやりとりや、その間に判明した様々な問題について、オットの目を借りてお伝えしたいと思います。

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